仏伊合弁のSTMicroelectronicsはスイスで現地時間11月21日,同社のADSLチップセット「MTK-21250」がフランスのAlcatel製集合型DSLモデム(DSLAM:Digital Subscriber Line Access Multiplexer)「7300 Advanced Services Access Manager(ASAM)」に採用されたと発表した。

 MTK-21250を組み合わせることにより,7300 ASAMは従来の2倍の回線を収容できる。7300 ASAMは,高速インターネット接続をはじめ,データ,音声,ビデオを組み合わせた幅広いサービスの提供を可能にする。消費者はストリーミング・ビデオ,音楽のダウンロード,オンライン・ゲーム対戦といった広帯域エンターテインメント・サービスを楽しむことができる。

 MTK-21250は,1回線当たりの実装面積が1平方インチ未満で,消費電力は1Wに満たない。フルレート方式のマルチモード対応モデム・チップを12個集積し,Annex A,B,C規格に対応する。主要ベンダーの顧客宅内機器(CPE)と互換性を持つ。「40%の部材コスト削減とDSL導入の簡素化を実現する」(STMicroelectronics社)としている。

 「MTK-21250を組み合わせた7300 ASAMは,STMicroelectronics社がAlcatel社のような戦略的パートナ企業と密に協力して得た成果の一例である。我々の目的は,成長するADSL市場に最適な製品を提供することだ」(STMicroelectronics社Access Division部門ジェネラル・マネージャのLeon Cloetens氏)

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