米Ciscoが企業向けネットワークのセキュリティ向けに12製品を発表

早坂利之

2002.11.20

　米Cisco Systemsが米国時間11月19日に，同社の包括的なセキュリティ戦略に，新しいルーティング・プラットフォーム，セキュリティ・サービスを含め，新たに12製品を加えた。

　同社のセキュリティ戦略は，ネットワーク全体にセキュリティを組み込むとともに，すべての同社製品にセキュリティ・サービスを統合することにある。同社は，顧客に対してIPサービス向けに安全な接続性を提供するための容易でスケーラブルな移行手段の提供を狙う。

　発表された製品の概略は次の通り。

・安全な接続性

　「Cisco 800 Series」，「SOHO 90 Series」ブロードバンド・ルーターなどの小規模企業から大規模企業に向けた新しいルーティング・プラットフォーム。「Cisco IOS Software」を搭載する。エンタプライズ・クラスのIPサービスを拡張し，データ，音声，ビデオ向けセキュリティ機能を提供する。

　「Cisco 2691」，「同3660」，「同3700」シリーズのルーター向けの新しいVPNアクセラレーション・モジュールは，CPU使用量を半分に抑えながら支店のVPNパフォーマンスを改善する。遠隔オフィス環境のIP音声とビデオ対応VPNのパフォーマンスを最高10倍向上させる。

　「Cisco SCA 11000 Series Secure Content Accelerator II (SCA II)」は，データ・センター向けのコンテンツ・アクセラレータ。認証管理を簡略にしながら，SSLの処理を行う。

　「Cisco IOS Software」には新しくファイアウオール，IDS,AESサポート，動的マルチポイントVPNサポート，NAT透過性サポート，IPSecステートフル・フェイル・オーバーのサポート，QoSサポートの強化が追加されている。同ソフトウエアは，「Cisco 800」と「同7000」シリーズのルータに搭載される。「Cisco IBNS」は，「Cisco Catalyst 2950」，「同3550」，「同4000」，「同6500」シリーズのスイッチに搭載される。

・アイデンティティ・サービスとセキュリティ管理

　同社の新しい「Identity-Based Networking Services（IBNS）」は，地理的に離れたユーザー向けに柔軟性と安全なモバイル製を提供するソフトウエアをベースとしてソリューション。認証，アクセス・コントロール，ユーザー・ポリシーを組み合わせることにより，企業はコスト効率良くユーザーのモバイル性とセキュリティ・ポリシーを管理できる。大規模なネットワーク資源の管理機能を最適化するとともに，ユーザーの生産性を向上させる。

　「Hosting Solution Engine (HSE) Version 1.7」は，データ・センター環境向けソリューション。企業内の個別のグループが，共有ネットワーク・インフラ上で自主的に管理タスクを実行できるように設計されている。新版では，同社のコンテンツ・ネットワーキング・ソリューション向けのパフォーマンス監視とレポート機能，Cisco PIXファイアウオール・ファミリを収録している。

　同日発表された製品の価格は次の通り。11月下旬に出荷が予定されている「Cisco Hosting Solution Engine 1.7」以外は，現在購入が可能となっている。

・「Cisco 831 Ethernet Broadband Router」，649ドルから
・「Cisco 837 ADSL Broadband Router」，649ドルから
・「Cisco SOHO 91 Ethernet Broadband Router」，349ドル
・「Cisco SOHO 97 ADSL Broadband Router」，449ドル
・「Cisco SCA 11000 Series Secure Content Accelerator (SCA II)」，1万7995ドル
・「Cisco Hosting Solution Engine (HSE) 1.7」，1万9995ドル
・「Cisco VPNモジュール」（「Cisco 2691」，「同3660」，「3700」シリーズ・ルーター向け），2500ドルから