米Microsoftの会長兼チーフ・ソフトウエア・アーキテクトであるBill Gates氏は米国時間11月18日,COMDEX Fall 2002の会場で,Microsoft社の「Windows CE for Smart Displays」を搭載した米ViewSonic製スマート・ディスプレイ製品が2003年1月8日に米国の消費者に向けて販売されると発表した。

 Windows CE for Smart Displaysは,スマート・ディスプレイ製品の実現を目的とする同社のソフトウエア技術。開発コード名を「Mira」と呼んでいた。「Windows XP Professional」と「Windows CE .NET」のリモート・デスクトップ,液晶ディスプレイと無線ネットワーク技術を組み合わせ,取り外して持ち運び可能な無線対応タッチスクリーン・モニターを実現する。

 「スマート・ディスプレイは箱から取り出して15分以内で使える状態になる。そして,ユーザーは家庭内のどの部屋からでも,いつでも,好きなときに,即座に,『Windows XP Professional』(搭載のパソコン)にアクセスできる」(Microsoft社Embedded and Appliance Platforms Groupジェネラル・マネージャのTodd Warren氏)

 Windows CE for Smart Displaysを搭載するスマート・ディスプレイ(Microsoft社は「Windows Powered Smart Displays」と呼ぶ)を米国で最初に販売するのはViewSonic社。同社は11月12日に,10インチ・モデルの「V110」と15インチ・モデルの「V150」を発表していた。両製品ともタッチスクリーン方式のLCDモニター,802.11b対応無線通信を装備する。製品パッケージには,ディスプレイ機器とUSBアダプタ(100ドル相当),Windows XP Professionalへのアップグレード(200ドル相当)が含まれる。

 V110とV150は,Amazon.com,米BUY.COM,米CompUSA,米Fry's Electronics,米RCS Computerなどの大手小売業者が取り扱う予定で,これら小売業者は同日,両製品の先行予約プログラムを始めている。先行予約した消費者には199ドル相当のドッキング・ステーションを無料で提供するという。

 なお,スマート・ディスプレイ製品は欧州とアジアでも販売が予定されている。「欧州,アジアにおいては,当社パートナのメーカーが2003年の第1四半期に出荷を予定している」(Microsoft社)

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