米IBMは米国時間11月15日に,高性能コンピューティング市場向けの超高密度UNIXサーバー「eServer p655」を発表した。4個または8個のプロセサを備えるビルディグ・ブロックを組み合わせることで,1台のきょう体に最大128個のPOWER4プロセサを搭載できる。演算速度は最高で毎秒5000億回(500ギガFLOPS)に達するという。対応OSは,AIX 5Lのバージョン5.1およびLinux。

 IBM社は,eServer p655を米Hewlett-Packard(HP)のサーバーHP rx5670と比較して説明する。その内容は以下の通り。

・同じ数のプロセサを搭載すると,米IntelのプロセサItanium2を採用するHP rx5670では6台のラックを占めるのに対し,eServer p655はラック1台で済む。

・動作周波数1.3GHzのPOWER4プロセサを4個搭載するeServer p655の性能をベンチマーク・テストSPECfp_rate2000で計測すると,51.7という値を示す。「これは,同じく4プロセサ構成のHP rx5670より15%高いスループット性能」(IBM社)

・4ウエイ構成の価格は,eServer p655が7万2449ドルなのに対し,同様の構成のHP rx5670は7万2899ドル。

 クラスタ・ソリューション「eServer cluster 1600」と高性能スイッチを利用することで,eServer p655システムはクラスタ化可能となる。「論理パーティショニングを使ったシステム構成も可能で,大きな柔軟性を持たせられる」(同社)。同社のクラスタ管理ソフトウエアを使うと,ワークステーション1台でクラスタ・システムを管理できる。

 「性能,パッケージング,柔軟性,可用性といった観点から,クラスタ化サーバー・ソリューションに最適な業務を行う顧客にとってp655は理想的だ」(IBM社)

 eServer p655の価格は7万2449ドルから。量産品の出荷は,2002年末の予定。

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