WWW関連技術の標準化を進めるW3C(World Wide Web Consortiumは米国時間11月14日,W3Cの標準仕様に関する特許ポリシーの改訂版「Royalty-Free Patent Policy」の最終草案(Last Call Working Draft)を発表した。

 W3Cは最終草案に先立ち,2月26日に改訂草案「Patent Policy Working Draft」を発表している。同改訂草案では,「W3Cの勧告仕様の策定に携わるすべてのメンバーは,それぞれが持ついかなる特許も無料で提供しなければならない」と定め,特許使用料免除(ロイヤルティ・フリー)という方針を明確に打ち出した。

 改訂草案により,同団体が最初に発表した草案「Patent Policy Framework」に盛り込まれていた「“合理的かつ差別のない(RAND:reasonable and non-discriminatory)”ライセンス供与を目指す」というフレームワークが取り除かれた。これは,「W3Cにより許可された特定のメンバーがW3Cの勧告仕様における特許に対してその使用料を要求することができる」というものだった。

 今回発表した最終草案は,Patent Policy Working Draftの方針を維持する。「内部の問題が解決に至った今,外部の意見を仰ぐため最終草案を公開する」(W3C)とし,2002年12月31日まで一般およびメンバーからのコメントを受け付ける。

 Royalty-Free Patent Policyの主な内容は以下の通り。

・W3Cの勧告仕様の策定に関わるすべてのメンバーは,特許を無料で提供しなければならない。

・作業グループW3C Working Groupの参加メンバーは,勧告の実装に不可欠と考えられる特許情報を公開しなければならない。

・無料提供が不可能と認められた特許に関しては,RANDライセンスを適用する可能性がある。

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