米MotorolaはJava 2 Platform, Micro Edition(J2ME)をベースとする新たな取り組みについて米国時間11月12日,発表した。「ゲームから実用的なツールまでさまざまなアプリケーションを用意することで,サービス差別化のチャンスをネットワーク事業者に提供する」(Motorola社)という。

 この取り組みのため同社は,米Handogo,米HillCast Technologies,Micro Java Network(MJN)社と業務提携した。それぞれの内容は以下の通り。

・Handango社との提携:
 Motorola社製ハンドセット用に,1500種類以上のゲーム,呼び出し音,グラフィックス,テーマといったコンテンツをWebサイトで提供する。「V60i」「C330」「T720」などのデータ対応携帯電話機で利用できる。呼び出し音は従来の一部機種にも対応する。

・HillCast Technologies社との提携:
 Motorola社製Java対応携帯電話機に対して,リアルタイムに金融市場の情報をストリーム配信できるアプリケーション「MidCast」を出荷する。現行のJava対応携帯電話機「V60i」「V66i」「T280i」「T720」「A388」「A008」に加え,将来リリースする機種でも利用可能とする。「MidCastはネットワーク対応J2ME技術ベースの金融アプリケーションであり,米国のGSM/GPRSネットワークでは初登場」(Motorola社)。なお同アプリケーションは,Motorola社のアジア向けポータルですでに利用可能となっている。

・MJN社との提携:
 Motorola社製Java対応携帯電話機にダウンロードして利用可能な,ビジネスおよび個人向けの実用アプリケーションを提供する。主なものには,所在地の時間帯に合わせて現在時刻を表示する「#!GlobalTime」,従業員からの情報収集などを行う「MobileSurvey」,作業記録や出納帳機能を提供する「TimeSheet」などがある。Motorola社はこれらアプリケーションのオンライン販売を,2002年第4四半期中に開始する予定という。

 さらにMotorola社は米Metrowerksと共同で,Motorola社製Java対応携帯電話機用のソフトウエア作成技術を指導するため,開発者向け講座を開設する。講座はMotorola Developer Learning Centerを通じてオンラインで提供され,自習教材を使って自分のペースで学習できるという。疑問点などの質問に対応するため,講師も用意する。「カリキュラムは3段階のレベルに分かれているので,各自の知識や技能に応じて適切な講座を受講できる」(Motorola社)

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