米IDCが米国時間11月12日,2002年第3四半期におけるハンドヘルド機器世界市場に関する調査結果を発表した。それによると,ハンドヘルド機器の出荷台数は244万台で,前年同期の259万台から6%減少した。

 前期と比べると7.1%減少しており,3期連続で前期比の出荷台数がマイナス成長となった。

 IDC,Smart Handheld Devices部門担当上級アナリストのWeili Su氏は,「世界経済の低迷が続いていることから,どの地域でも需要が低調だった」と説明し,「ホリデー・シーズンを迎える第4四半期は,前年と比べ横ばいか,やや減少するだろう」と予測した。

 メーカー別にみると,米Palmが首位を維持し,市場シェアを前年同期の29.1%から33.8%へと拡大した。ソニーは景気が低迷するなか出荷台数を伸ばし,米Hewlett-Packard(HP)を抜いて,2位の座に躍進した。

 HP社は米Compaq Computerとの合併で得た勢いを維持しきれず,市場シェアを前期の16.5%から11.9%へと落とした。東芝はシェアを伸ばし4位の座を獲得。トップ5の常連である米Handspringと中国のHi Tech Wealthを抜き,思わぬ活躍ぶりをみせた。

 Handspring社は前年同期の14.1%から3.9%へとシェアを大きく落とし,8位に後退した。しかし,同社は注力対象を統合型デバイスへと移行しており,シェア縮小は予測されていた。

 前期より出荷台数を伸ばしたメーカーは,ソニー,東芝,カナダのResearch In Motionの3社だけとなった。

■ 2002年第3四半期における世界ハンドヘルド機器ベンダーの出荷台数速報値
(単位:1000台)

                 2002年Q3    市場     2001年Q3     市場      前年同期比
ベンダー         出荷台数    シェア    出荷台数   シェア      伸び率
Palm社            824.00     33.8%     753.00      29.1%         9.4%
ソニー            350.00     14.4%      93.00       3.6%       276.3%
HP社              290.00     11.9%     320.00      12.4%        -9.4%
東芝              103.70      4.3%       NA          NA           NA
カシオ計算機      100.00      4.1%     185.20       7.1%       -46.0%
その他            768.67     31.5%   1,239.80      47.8%       -38.0%
合計            2,436.37    100.0%   2,591.00     100.0%        -6.0%

注意:
・出荷台数は,流通チャネルへの出荷とメーカーによる直販の両方を含む
・OEMによる売り上げは,メーカー/ブランドごとに集計
・HP社の出荷台数は,HP社とCompaq社の出荷台数の合計
・出荷台数にはペン・ツール式とキーパッド式の両方を含む

出典:IDC

◎関連記事
2002年Q2のハンドヘルド機器市場は前年同期比9%減,米HPが出荷台数ベースで2位に躍進
「2002年Q2のPDA市場,売上高ベースで米HPが米パームを抜いて首位に」,米データクエスト
米ガートナー,2002年Q3の世界PDA市場出荷台数を前年同期比0.9%増から2.4%減に修正
2002年Q3のPDA世界市場は前年同期比0.9%の微増,米パームが首位,ソニーが健闘
急減速のPDA市場,“無線での常時接続”に復活賭ける
米パームが「Palm」のサブブランドを発表,企業向け「Tungsten」と個人向け「Zire」
企業ユーザーの間ではPalmが主流,米調査会社3社の結論
「PDAのTCOはノート・パソコンより75%も低い」,と米企業の調査

[発表資料へ]