米IBMは米国時間11月12日,同社のコンセプト「オンデマンド・コンピューティング」の推進に向けたパートナ企業支援の取り組みについて明らかにした。インフラ・ソフトウエア・ファミリ「Express」をはじめ,トレーニングやサポートを提供し,中企業向けオンデマンドe-businessソリューションの普及促進を図る。

 IBM社はオンデマンド事業部門を設置し,100億ドルの予算を投じる計画を10月30日に明らかにしている。

 Expressは,中企業がCRMやSCMといった事業を統合するためのニーズに対応する。社内全体にわたる情報の流れを実現し,個々の事業を統合することがオンデマンドe-businessの重要なカギになると,IBM社は考えている。製品の第1弾となるアプリケーション・サーバー「WebSphere-Express」は最新のJavaやWebサービス向け標準規格をベースにする。アプリケーションの組み立てや実装が「ワンクリックで実行可能。保守にもほとんど手が掛からないため,管理コストを最小限に抑えることができる」(IBM社)。価格は1ユーザーあたり25ドルから。

 データベース・ソフトウエア「DB2-Express」は2003年第1四半期に利用可能にする。対応OSはLinux,Windows,UNIX。自律機能を備えており,価格は1000ドルから。

 また,IBM社は新たな中小企業向け管理サービスを発表した。「Tivoli Access Manager」をベースにし,米VeriSignがホスティングを担当する。ポータル・サイトやエクストラネット,ビジネス・アプリケーションのセキュリティ強化を目的とする。

 さらに同社は,ビジネス・パートナや中小企業向けのマーケティング支援プログラム「Start Now」の新たなソリューションを明らかにした。「Start Now Portal Solutions」と「Start Now Business Integration Solutions」の提供を2003年第1四半期より開始する。

 そのほか同社は,ビジネス・パートナ向けにすべてのソフトウエア・ブランドを対象にした認定トレーニングを始める計画である。

◎関連記事
米IBM,オンデマンド・コンピューティングに100億ドルを投資へ
サーバー・インフラの世界で起こる静かな革命――PBCSとは?(1)
サーバー・インフラの世界で起こる静かな革命――PBCSとは?(2)
サーバー・インフラの世界で起こる静かな革命――主要ベンダーのPBCS戦略
米IBM,自律型コンピューティング・システムに関する部門「Autonomic Computing」を設立
「サンから主導権を取り戻せ」 米IBMがeLiza計画に込めた狙い
米IBMが「DB2 version 8」のベータ版を一般提供,「自己管理機能により,管理作業の負荷を軽減」
米IBMがeビジネス用システムを管理する新サービスを開始

[発表資料へ]