米Forrester Researchが米国時間11月11日に,CRMソフトウエア・ベンダーについて調査した結果を発表した。それによるとCRMソフトウエア市場では,米Siebelが優位に立っている。しかし米Oracle,米PeopleSoft,ドイツのSAPも信頼性に優れた製品を提供しているという。

 調査では,CRMソフトウエア・ベンダーのOracle社,PeopleSoft社,SAP社,Siebel社が提供するソリューションに関して,その機能性,統合性,アーキテクチャを比較評価した。また各社の市場における立場,提供しているソフトウエア,戦略などについても検証した。

 主な調査結果は以下の通り。

・CRMソフトウエア市場では,Siebel社が圧倒的な優位を誇っている。

・企業ユーザーは,ERP(基幹業務システム)ベンダーからCRM製品を購入する利点を認識し始めている。

・Siebel社の製品と肉薄する機能性を備えているのは,Oracle社の製品である。しかしOracle社は,独自の路線を歩む傾向があるため,同社の製品が広範に普及するにはいたらない。

・PeopleSoft社は,自社のERPユーザー以外にもCRMソフトウエアを売り込むことに成功した唯一のバックオフィス・ベンダーである。しかし,同社の開発リソースは限界に達しつつある。

・SAP社の製品はまだ成熟過程にある。しかし,焦点を絞ったバランスのとれた製品であることから,ユーザーにとって戦略的に注目すべき選択肢となっている。

・Siebel社は今後も,大規模なコンタクト・センターを中心とした顧客サービス・ソリューションの標準を定める旗手となる。しかしユーザーは,CRMスイートの新版「Siebel 7」へのアップグレードを現時点では見送った方がよい。

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