「フラッシュ・メモリーを利用したUSBストレージ(USBフラッシュ・ドライブ)の年間出荷台数は現在1000万台を下回っているが、2006年には,約5000万台へと爆発的に増えるだろう」。半導体関連の市場調査を手掛ける米Semico Researchが米国時間11月11日に,USBフラッシュ・ドライブ市場の今後の展望について調査した結果を発表した。

 「使い勝手の良さがコンピュータ・ユーザーにうけており,急速に利用者が増えている。当初は物珍しさというのもあっただろうが,現在普及を促進しているのは利便性と読み/書きの速さだ」(Semico Research社アナリストのJim Handy氏)

 USBフラッシュ・ドライブは新しい市場を創出するにとどまらず,既存製品のシェアを奪うことにもなりそうだ。例えば1980年代後半から容量が1.44Mバイトどまりのフロッピ・ディスクなどは,USBフラッシュ・ドライブに取って代わられる可能性が高い。

 現在,すでに100社近くのメーカーがUSBフラッシュ・ドライブを製造している。今後市場は急拡大するものの,多数のメーカーが市場から脱落する見通しだ。その理由をHandy氏は,「市場の成長期に,実力のないメーカーが市場に参入するのはよくみられる現象だ。DRAMモジュールの時も多数のメーカーが市場に参入したが,最終的に生き残ることができたのは,コストと在庫の管理に長けた大規模なメーカーだった」と説明した。

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