米Microsoftの役員会が,独占禁止法訴訟の和解条件遂行を監視する委員会「Antitrust Compliance Committee」の結成を決議した。Microsoft社が米国時間11月8日に明らかにしたもの。

 同社を巡る独占禁止法訴訟については,米連邦地裁が同社と米司法省および9州(ニューヨーク州,オハイオ州,イリノイ州,ケンタッキー州,ルイジアナ州,メリーランド州,ミシガン州,ノースカロライナ州,ウイスコンシン州)との間で合意に達した和解案を大筋で承認するとの判決を,11月1日に下している。その際,裁判所は30日以内に監視委員会を設置するよう求めていた。

 Antitrust Compliance Committeeの委員長にはJames I. Cash氏が任命された。同氏はハーバード大学経営大学院教授で,2001年6月にMicrosoft社役員会に加わった人物である。

 なお同委員会は,Microsoft社において被雇用経験のない役員3人以上で構成することが義務づけられている。Cash氏のほか,米Merck & Co.の会長兼社長兼CEOのRaymond Gilmartin氏,元米労働長官のAnn McLaughlin Korologos氏が同委員会に参加する。

 Microsoft社会長兼チーフ・ソフトウエア・アーキテクトのBill Gates氏は,同社が「迅速に責任を遂行している」ことを主張し,「政府と競合他社がわが社に厳しく目を光らせるだろうが,我が社に課せられた責務を果たすために必要な全時間,全エネルギ,全リソースを捧げていく」と述べた。

◎関連記事
米Microsoftが米連邦地裁の判決を歓迎する声明を発表
Microsoftの終わりなき訴訟の森
米マイクロソフト,独禁法訴訟の和解条件を反映した「Windows XP SP1」が製造段階に
米マイクロソフトが独禁法訴訟の和解プログラム修正を発表,技術情報の無償リリースなど
9つの州がMicrosoft反トラスト法訴訟の和解を拒否
米マイクロソフト,和解拒否の9州による是正案を「極端」とコメント
FSFが米マイクロソフト独禁法訴訟の和解案に意見書を提出
米マイクロソフトと米司法省が和解を発表,「厳しい処置だが消費者や経済のためになる」とゲイツ氏

[発表資料へ]