「デジカメで撮った写真のプリント枚数は,2001年の45億枚だったが2005年に118億枚に増加する」。米Lyra ResearchとPhotofinishing Newsが米国時間11月7日に,消費者のオンラインの写真共有と写真プロセスに関する調査結果を明らかにした。それによれば,2001年にはデジタル写真の80%が家庭でプリントされていたが,地域の業者やオンライン・サービスによるプリントが増加して,2005年までに家庭でプリントされる割合は53%に減少するという。

 この写真プリントに関する変化は,複雑な写真プリント向けソフトが付属した多機能デジカメが難しすぎる,と消費者が感じていることが要因として挙げられている。消費者は,撮影と出力機能の両方を簡単にしたいと望んでいる。

 「この先2年間で,消費者は小売店でのプリントを好むようになる。家庭向けプリント・サプライの価格が大幅に低下すると予測されるが,媒体とインクの料金を考慮すれば,プリント料金は小売店の方が安上がりになる。便利性と時間が決定要素になる。業者のデジタル写真向けプリント・フルフィルメントのインフラの配備が必要だが,消費者は,最終的に従来のプリント方法を選択すると考えられる」(Photofinishing News社の社長のDon Franz氏)。

 技術面でみると,ハロゲン化銀,インク・ジェット,ダイサブ・メディアを含むさまざまなメディアで写真が製造されている。ハロゲン化銀が引き続き市場を支配し,2005年までにプリント全体の90%弱までしか低下しない。インク・ジェットも消費コストを低下させながら印刷スピードが高速化する。新しいインク・ジェットのシステムのコストは,ハロゲン化銀システムのおよそ半分になるという。

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