カナダのResearch In Motion(RIM)は米国時間11月7日,キーボードに関する特許技術の一部を米Palm傘下のPalm Solutions Groupにライセンス供与することで提携を結んだと発表した。ロイヤリティなどの金額に関しては明らかにしていない。

 「RIM社は市場拡大を目指し,知名度の高い企業に対する特許技術のライセンス供与を行っていく」(RIM社会長兼共同CEOのJim Balsillie氏)

 Palm社はRIM社のキーボード技術を,企業向け無線対応ハンドヘルド機「Tungsten W」に組み込む計画である。

 Tungsten WはGSM/GPRSネットワーク対応の通話機能を備え,電子メールやWebコンテンツへのアクセスも可能。Address Bookから簡単にダイヤルできる「Quick Connect」機能のほか,短縮ダイヤル,発信者番号表示,5人対応の会議通話,通話履歴といった機能を備える。1回の充電による最大通話時間は10時間。

 OSはPalm OS 4.1.1,プロセサは米MotorolaのDragonball VZ 33mHz。解像度320×320ピクセルのカラー・ディスプレイ,5ウエイ・ボタンを装備。リチウム・イオン電池を使用する。POPおよびIMAPアカウントに対応した電子メール・ソフトウエア「Palm VersaMail」が付属する。電子メールの送受信をはじめ,HTML形式の添付ファイルやWordテキストを表示できる。また,Outlook,Outlook Express,Lotus Notes 5.0,Eudoraなどと電子メール・データの同期化が可能。2003年第1四半期に出荷する予定。

 なお米メディアの報道(CNET News.com)によると,RIM社は米Handspringと同様の提携を結んだことを今週はじめに明らかにしている。RIM社はこれまで,同特許技術を侵害したとして複数の企業を相手取って訴訟を起こしており,Handspring社はそのうちの1社だった。RIM社とHandspring社の係争は決着に向かう見通しだという。

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