米Priceline.comは米国時間11月5日,2002年第3四半期の決算を発表した。売上高は2億4000万ドルで前年同期の3億200万ドルから減少。純損失は2430万ドル(1株当たり損失11セント)。前年同期のGAAP(会計原則)ベースの純損失は360万ドル(同2セント)だった。

 一時的な費用を除いた純利益は40万ドル(1株当たり利益は0セント)で,「1株当たり利益は7月時点の予測と一致している」(Priceline.com社)。前年同期における一時的な費用を除いた1株当たり利益は3セントだった。

 一時的な費用を除いたEBITDA(利子,税金,減価償却費控除前利益)は450万ドルで,前年同期の840万ドルから現象した。

 2002年1~9月の業績をみた場合,GAAPベースの1株当たり損失は6セントで,一時的な費用を除いた1株当たり利益は5セント。2001年1~9月におけるGAAPベースの1株当たり損失は7セントで,一時的な費用を除いた1株当たり利益は6セントだった。

 「第3四半期はこれまで同様,ホテル予約サービスが強い伸びをみせた。ホテルの予約は前年同期と比べ37%増加し,100万泊以上を販売した。また顧客も1540万人へと拡大したほか,リピータによる購入が過去最高となった」(Priceline.com社社長兼共同CEOのJeffery H. Boyd氏)

 同社の第3四半期の業績は,困難な状況が続く航空業界の影響を少なからず受けている。航空業界は,航空運賃の大幅な値下げや,対米同時テロ事件発生1周年となった9月11日前後の旅行客が減少したことなどから景気の低迷が続いている。Boyd氏はそのような状況に対応するために,「ホテル予約やパッケージ旅行の提供にリソースを集中させる。また当社が運営するLowestfare.comサイトを通じて,格安航空券を提供していくつもりだ」と,今後の方針を説明した。

 また,旅行関連以外の事業における営業費用の縮小に努め,その一環として従業員を約65人削減する計画も明らかにした。

 Priceline.com社会長兼CEOのRichard S. Braddock氏によると,「10月の売上高は約7250万ドルで,9月よりわずかながら増加した」という。しかし,「例年11月と12月は売上高が減少する。また第4四半期は,リストラ関連やその他の費用として約400万~500万ドルを計上することになる。このため第4四半期は,一時的な費用を除いた1株当たり損益が2セントの赤字,もしくは収支トントンになるだろう。しかし2003年通年の1株当たり利益は,2002年を上回るだろう」と,同氏は今後の見通しを述べた。

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