米RealNetworksと米Envivioは米国時間10月5日,両社が携帯電話などの無線機器向け「MPEG-4」のエンコーダ開発に関して協力体制を敷いたことを明らかにした。

 両社は,RealNetworks社のデジタル・メディア製品開発/配信プラットフォーム「Helix Platform」をベースとした共同ブランドの製品「Helix Mobile Producer powered by Envivio」を開発し,マーケティングでも協力する。「世界中の無線キャリアやコンテンツ・プロバイダに向ける」(両社)という。

 Helix Mobile Producer powered by Envivioは,高品質エンコーディング技術を提供する単体のソリューションになるという。サポートするのは,3GPP,3GPP2,RealAudio,RealVideoに準拠したファイル形式。Helix製品系列として,2003年の第1四半期に出荷する予定。

 Helix Mobile Producer powered by Envivioの特徴は以下の通り。

・ライブおよびオンデマンドのエンコーディング
・MPEG-4,AAC,N-AMR,H.263といった3GPP,3GPP2準拠のファイル形式をサポート
・RealAudioとRealVideoもサポート
・ファイル・サイズやビット・レートなどをモバイル機器向けに最適化する
・インタフェースはコマンドラインに加えGUI(graphical user interfaces)も用意

 なおRealNetworks社はすでに,同社のデジタル・メディア配信技術「RealSystem iQ」のMPEG-4サポートに関してEnvivio社と提携している。

 Envivio社は,1999年にFrance Telecomからスピンアウトした会社である。MPEG-4技術の開発を手がけており,その製品にはメディア制作/エンコーディング・ソフト「Envivio Broadcast Studio」,サーバー・ソフト「Envivio Media Server」,クライアント・ソフト「EnvivioTV」などがある。EnvivioTVではすでに,RealNetworks社の「RealOne Player」「Real Player」,米Microsoftの「Windows Media Player」,米Apple Computerの「QuickTime」でMPEG-4ファイルの再生を可能にするプラグインを提供している。なおEnvivioTVはセットトップ・ボックス組み込み向けのスタンドアロン版もある。

◎関連記事
米リアルネットワークスがオープン・ソースのマルチメディア再生ソフト「Helix DNA Client」を公開
米マイクロソフトと松下,CD-RWメディア用の新フォーマット「HighM.A.T.」を共同開発
米クアルコムがマルチメディア機能付き3G携帯電話機用チップセットのサンプル出荷を開始
米MS,次世代デジタル・メディア・プラットフォーム「Windows Media 9 Series」のベータ版をリリース
米マイクロソフトとノルウェーのタンベルグが「Windows Media 9 シリーズ」対応ソリューションで提携
米リアルネットワークスがデジタル・メディア配信プラットフォーム「Helix Platform」を発表,ソース・コードを公開
コードネーム「Corona」の正式名称は「Windows Media 9 Series」,米Microsoftがベータ版のリリース予定とTechnical Summit開催予定を発表
米リアルネットワークスが「RealSystem」で「MPEG-4」をネイティブ・サポート

[発表資料へ]