米Evans Dataが米国時間11月5日に,中国におけるLinux関連開発の状況について調査した結果を発表した。それによると,中国の開発者の65%が2003年にLinux向けアプリケーションを開発する予定だという。すでにLinux向けアプリケーション開発を手がけた経験のある回答者は44%にのぼった。

 調査は中国のソフトウエア開発者1000人以上を対象に実施したもの。

 2003年に開発環境の主要OSとしてLinuxを使用する予定の開発者は11%。現在,Linuxを主要OSに採用している開発者は4%である。

 Evans Data社アナリストのEsther Schindler氏は,「大幅なOSの移行が中国で進むとみる。政府がLinuxの普及促進に力を入れているためだ。しかし,Windowsの利用が昨年より減少するものの,そのままLinuxに開発者が流れるわけではない。多くの開発者は,開発環境としてJava VMを選ぶだろう。中国の開発者の10%は,2003年における開発環境の主要OSとしてJava VMを挙げている」と述べた。

 その他の主な調査結果は以下の通り。

・昨年,会社のネットワークやセキュリティが侵害されたという回答者は49%。「企業データベースへの侵入」(33%)や「ウイルス感染」(30%)といった被害が最も多かった。

・回答者の13%が,64ビット・アプリケーションを開発中,または既存アプリケーションの64ビット移行を手がけている。6カ月前の調査では,8%だった。2003年に64ビット・アプリケーションを新規開発もしくは既存アプリケーションを移行する予定の開発者は48%にのぼった。

・中国の開発者の約98%は,経験年数が10年に満たない。経験年数の平均は4年未満である。

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