ドイツT-Mobile Internationalの米国法人T-Mobile USA社が米American Airlines,米Delta Air Lines,米United Airlinesと提携し,米国内にある各航空会社のクラブやラウンジでWi-Fi(IEEE 802.11b)無線ブロードバンド・インターネット接続サービスを提供する。T-Mobile USA社が米国時間10月30日に明らかにしたもの。

 この提携により,T-Mobile USA社は2003年中に,現在「American Airlines Admirals Club」の一部で提供しているサービスを拡大した上で,利用者が多い航空3社のクラブ/ラウンジ約100カ所に無線LANアクセス・ポイント(ホットスポット)を設置する。さらに,空港による承認が得られれば,同サービスの提供範囲を航空会社のゲートにまで拡張する可能性もあるという。

 「3大航空会社と提携したことで,“当社のほかのサービスを補完する手段”という意味を持つWi-Fiの利便性が拡大する。当社の顧客には,航空会社のクラブやラウンジをよく利用するビジネスマンが増えている。Wi-Fiサービスの拡充は,特にこうした顧客にとって魅力的だ」(T-Mobile USA社社長兼COOのRobert Dotson氏)

 T-Mobile USA社が引用した米Yankee Groupの調査結果によると,ビジネスマンの約25%がモバイル・ユーザーとみられ,就労時間の20%以上をオフィス外で過ごしているという。「つまり,米国には4000万人のモバイル・プロフェッショナルが存在し,(オフィス外から)インターネットや会社のイントラネット/電子メール・サーバーにアクセスする必要があるということだ」(T-Mobile USA社)

 同社は2002年末までに,米国内で2000カ所以上のWi-Fiホットスポットを利用可能にするとしている。なお今のところ米Starbucks Coffee,空港,航空会社のクラブでホットスポットを運営しており,その数は1800か所にのぼる。さらに2003年初頭には,書籍販売大手の米Borders Groupの書店および飲食店でも同サービスの提供を開始する。

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