米Persistence Softwareが米国時間10月30日に,Java 2 Platform, Enterprise Editon(J2EE)/.NET/C++アプリケーション・サーバーを高速化するソフトウエア・モジュール「EdgeXtend for .NET」を発表した。「Distributed Dynamic Caching(DDC)」と呼ぶ技術を採用することで,「大量のデータを扱い,高度に分散した業務アプリケーションの開発および展開を,データ・センターを追加することなく高速化できる」(Persistence社)

 EdgeXtendを使うと,業務上の意思決定者のもとに必要なデータを分散させ,応答時間を改善し,生産性を向上することで,アプリケーション・サーバーの動作性能を改善すると同時に,コストも削減も可能という。

 EdgeXtendは.NET/J2EE/C++アプリケーションと連携して動作し,データの対応付けとキャッシュ処理を行う。その結果,「企業全体を対象とするアプリケーション・サーバーのデータ管理/分配能力を大幅に強化できる」(同社)

 EdgeXtend for .NETは三つの主要コンポーネントを持つ。その内容は以下の通り。

・共有トランザクショナル・キャッシュ:
 データと処理を,過負荷状態にあるバックエンド・データベースからエンド・ユーザーの近くに移すことで,既存の.NETアプリケーションの応答時間を短縮し,サーバーで処理可能な同時ユーザー数を増加させる。その結果,アプリケーションがデータベースにアクセスする回数を削減し,ハードウエアおよびソフトウエアを追加する必要性を低くする。

・キャッシュの同期:
 各地に存在する.NETアプリケーション自身に必要なデータを保有させることで,完全な規模を持つデータ・センターを構築せずにアプリケーションを拡張できる。

・モデルドリブン開発:
 既存の.NETサーバーをDDCに対応させるコードを自動生成し,.NET,J2EE,C++プラットフォームで同じオブジェクト・モデルを流用することで,開発コストを削減する。

 EdgeXtend for .NETは,現在ベータ版が利用可能となっている。一般販売は2003年第1四半期に開始する予定。

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