米RealNetworksはオープン・ソースのマルチメディア再生ソフト「Helix DNA Client」を公開したと米国時間10月29日,発表した。同社のソース・コード公開の取り組み「Helix Community」のもと提供される初めてのソース・コードとなる。

 同社は今年7月「Helix Platform」の発表とともに,この取り組みについて明らかにしていた(関連記事)。

 Helix Platformとは,デジタル・メディア製品開発と配信のためのプラットフォーム。メディア・サーバ/プレーヤ,エンコーダ/デコーダのソース・コードが含まれている。「Helix DNA」はHelix Platformの中枢部分にあたり,今回公開したHelix DNA Clientはプレーヤのソース・コードとなる。同社製マルチメディア再生ソフト「RealOne Player」の中核エンジンのオープン・ソース版である。

 「開発者はRealAudio,RealVideo,MPEG-4,MP3,H.263,3GPPに対応した,Linux,Windows,Mac OS X向けメディア・プレーヤを開発できるようになる」(同社)。また現在コミュニティ・ベースの12のプロジェクトが活動しており,これにより,まもなく「Palm OS」/「Symbian OS」へのポーティングやWebブラウザ「Mozilla」/「Opera」向けのプラグインが実現するという。

 Helix DNA ClientはHelix Communityによる2つのライセンス体系で提供する。すなわち非営利目的向けの「RealNetworks Public Source License (RPSL)」と商用目的向けの「RealNetworks Community Source License (RCSL)」である。

 後者の場合は「MPEG-4のライセンス料よりも手頃な料金」(同社)という。例えば,RealAudio/RealVideoのコーデックを含まないソフトウエアを配布する場合は,100万個までは無料,100万個を超えた部分については1個当たり10セントを徴収する。RealAudio/RealVideoのコーデックを含む場合は,1個当たり25セントとなる。

 なお同社は,メディア・サーバーとエンコーダのソース・コードも年内に公開する計画である。

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