米Oracleが米国時間10月28日に,Java用統合開発環境(IDE)の新版「Oracle9i JDeveloper Version 9.0.3」を発表した。
Oracle9i JDeveloperはJava開発者向けのIDEで,Java 2 Platform, Enterprise Edition(J2EE)アプリケーションやWebサービスの開発作業のすべての工程に対応可能という。「オープンな標準規格に対応しており,あらゆるOS上で使用できる」(Oracle社)。単一のIDEでJ2EE,XML,SQLに対応し,業務支援やUML(Unified Modeling Language)モデリング,J2EE Webサービスを作成できる。
新版の主な内容は以下の通り。
・オープン・ソース・ソフトウエアとの統合:
Oracle9i JDeveloper IDE内から,Apache Ant,Jakarta Struts,JUnit,CVSなど主要オープン・ソース・ソフトウエアを直接利用できる。この統合は,サード・パーティ製のツールをIDEに組み込むためのAPI「Oracle9i JDeveloper Extension Software Development Kit(SDK)」を使用して実現した。
・パーソナル化可能なJava IDE:
「MyJDeveloper Extension Manager」と呼ぶ機能により,Java開発者の構築するアプリケーション/開発スタイル/技量に合わせ,開発環境をパーソナル化できる。さらに,拡張用モジュールやアップデートは,同社のオンライン開発者コミュニティ「Oracle Technology Network(OTN)」から直接ダウンロードしてインストールできる。
・Webサービス対応の強化:
Javaクラス,データベースに格納したプロシジャ,Enterprise JavaBeans(EJB)を使うことで,JavaまたはPL/SQLによる業務ロジックの作成を迅速に行い,Webサービスとして公開できる。「これらすべての作業は,単一のツール内で実行できる」(Oracle社)。SOAPメッセージをデバッグする際に使う内蔵TCPパケット・モニターなど,Webサービス開発用の試験ツールも備える。導入/作成/発行/UDDI検出/試験/デバッグといったWebサービス開発の全工程に対応するほか,.NET Webサービスとの相互接続性もある。
・J2EE 1.3標準対応:
セッション・ビーンズ/エンティティ・ビーンズ/メッセージ・ドリブン・ビーンズなどのEJB 2.0に対応可能な,内蔵Unified Modeling Language(UML)モデリングおよび生成機能を利用できる。
「新版のリリースにより,当社はJava開発者が強く求めている生産性を提供する。開発者がいかにこのツールを必要としているかは,たった1カ月のあいだに2万人近くのOTM登録メンバーが早期アクセス版をダウンロードしたことに現れている」(Oracle社アプリケーション開発ツール担当副社長のBill Dwight氏)
Oracle9i JDeveloper Version 9.0.3の評価版は,OTNから無料でダウンロードできる。製品版の価格は1登録ユーザー当り995ドル。
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