「企業・団体におけるネットワーク停止事故の3分の1は人為ミスによるもの」――。ネットワーク・コンフィグレーションの制御機器を手がける米Gold Wire Technologyが米国時間10月28日に,米国の調査会社Yankee Groupが行った調査結果を引用する形で発表した。

 調査はYankee Group社が2002年8月に北米の企業・政府機関のネットワーク担当者を対象に実施した。合計229人を対象にアンケート調査を行ったもの。

 この調査で,ネットワーク停止事故の35%が通信キャリアまたはISP(Internet Service Provider)が原因によるものということが分かったという。これに次いで多かったのは人為ミスによるもの。その割合は31%だった。これ以外では,電源異常(14%),ハードウェア障害(12%)がある。また「問題が未解決で原因不明」という事例は8%あった。

 人為ミスの主な要因は,「スイッチ,ルーター,ファイアウオールといった通信機器のコンフィギュレーション制御が不十分なこと」(Yankee Group社)。企業・団体では,権限のないものによってコンフィギュレーションの変更がなされているケースが多いという。また昨年1年間でそうした経験を持つ企業・団体が半数あったことがこの調査で分かったという。

 「業界によって異なるが,ネットワークが1時間ダウンすると,9万~450万ドルの損失につながる。しかしこうした事故は最大30%減らせることがこの調査で分かった。『人為的ミスの排除』という1つのことに注力するだけでネットワークのアップタイム(使用可能時間)は大幅に増大できるのだ」(Yankee Group社副社長のZeus Kerravala氏)。解決策は,「いくつかの簡単なベスト・プラクティス規定を設けること」(同氏)という。

 調査結果の概要は以下の通り。

・ネットワーク停止事故の31%が人為的ミスによるものだった
・それらのうち83%が,ネットワーク運用上必要不可欠な変更作業とは関連性がない
・70%の企業・団体が,共通のパスワードを使っていた
・68%の回答者がログイン情報やコンフィギュレーションの変更を追跡できない状態にある

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