米J.D. Power社は米国における携帯電話の評価に関しての調査結果を米国時間10月24日に発表した。それによると,携帯電話の平均価格は継続的に低下しているが,加入者は買い換えに以前よりも時間をかけていることが明らかになった。同調査は,7社が製造する携帯電話に対して全米27市場における5259世帯の回答をまとめている。

 調査によれば,一般的なユーザーは,同一の携帯電話機を平均して18カ月間継続的に利用していることが分かった。2000年の16カ月という結果から2カ月長くなっている。また,ユーザーが携帯電話本体に支払う金額は,1999年に平均100ドルだったのが2002年には75ドルに低下している。

 価格低下の主な理由は,販売促進を目的として,ハンドセット・プロバイダと無線通信事業者が,より頻繁に電話機の価格割り引きを実施していることが挙げられる。無線サービスに初めて加入したときに,無料で携帯電話機を受け取った,と報告したユーザー数は,2000年の18%から2002年には28%に急増している。この戦略においては,ほとんどの場合,割り引き価格で提供される携帯電話のモデルが古く,通常最新技術を搭載していないとともにデザインも最新のものではないことが問題となっている。

 また,高価格帯の携帯電話機に対する顧客満足度は,低価格帯のモデルよりも格段に高いことが明らかになった。一般的に150ドルを越える価格で提供される高価格帯の部門では,カラー・ディスプレイ,マルチメディア・メッセージング機能といったユーザーが求める多くの最新技術を搭載している。

 携帯電話の満足度を促す5つの主な分野は,物理的デザイン,機能,操作,バッテリ機能,持続性(優先順)となっている。これらの分野で期待を上回った場合に,ユーザーが携帯電話の買い替えまたはアップグレードをするときに,同じブランドの機種を購入する可能性が高くなる。

 メーカー別でみると,三洋電機の携帯電話は顧客の期待を上回っており,顧客満足度で首位に付いた。同社製の携帯電話は,全体的な顧客満足度が高く,5分野すべてで業界平均を上回っている。三洋電機の後には,Motorola,Sumsungが同率2位,そして京セラが続いた。

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