米Amazon.comが米国時間10月24日に,2002年第3四半期の決算を発表した。売上高は8億5100万ドルで,前年同期の6億3900万ドルに比べ33%の増収。Amazon.com社は同期の売上高を7億8000万ドルから8億3000万ドルの範囲と予測していたが,これを上回るかたちとなった。

 純損失は3500万ドル(1株当り損失は9セント)。前年同期の純損失は,1億7000万ドル(1株当り損失は46セント)だった。

 一時的な費用を除いた場合の純利益は,40万ドル(1株当り利益は0セント)。前年同期の同条件の純損失は5800万ドル(1株当り損失は16セント)だった。

 3700万ドルのリストラ費用などを含む営業損失は1000万ドルで,前年同期の7000万ドルから縮小。一時的な費用を除いた営業利益は2700万ドルで,売上高の3%を占めた。前年同期における同条件の営業損失2700万ドルに比べ,5400万ドル増となった。

 前年同期と比較したこのほかの主な業績結果は以下の通り。

・英国,ドイツ,フランス,日本といった海外事業の売上高が90%増加して2億6400万ドルとなった
・書籍,音楽,DVD/ビデオ部門の売上高は17%増の4億1200万ドルに達した
・エレクトロニクス,工具,台所用品部門の売上高が25%増の1億2900万ドルとなった
・在庫回転率は前年同期より31%向上した

 同期の増収について,Amazon.com社の創設者兼CEOのJeff Bezos氏は,「当社はこの15カ月間に5回値下げを行った。端的に言えば,これが“効いた”」と述べている。「これまでの結果をもとに,25ドル以上の注文を対象に配送料を無料にする『Super Saver Shipping』サービスの継続を決定した。少なくとも,ホリデー・シーズンのあいだは続ける」(同氏)

 なお同社は,2002年第4四半期と2003年通年の業績予測についても明らかにした。第4四半期の売上高は13億2500万~14億2500万ドル,一時的な費用を除いた営業利益は7000万~9500万ドルの範囲になると見込む。2003年通年の売上高は,前年比10%以上増加し,一時的な費用を除いた営業利益は2億ドルを超えると予測する。

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