米Sun Microsystemsは米国時間10月24日,Webサービスの普及促進団体WS-I(Web Services Interoperability Organization)に同社が参加すると発表した。これでSun社が同団体の役員席に就く可能性が高まったことになる。

 「ネットワーク・コンピューティング技術,オープンな標準仕様開発の分野における20年の経験を生かし,積極的に活動していく」(同社)

 WS-Iは,米Accenture,米BEA Systems,富士通,米Hewlett-Packard,米IBM,米Intel,米Microsoft,米Oracle,ドイツSAP AGの9社が集まって2002年2月に設立したWebサービスの普及促進団体。さまざなプラットフォーム,アプリケーション,プログラミング言語間で,共通のWebサービスを開発/展開するための取り組みである。Sun社が設立メンバーに加わらなかったことから,これまでさまざまな憶測が流れていた。
 
 米メディアなどが伝えるところによると,WS-Iは当初Sun社を権限が限定される「賛助会員」(contributing member)として招いていた。しかしSun社は,より影響力の大きい「創設役員(founding board member)」としての地位を求め,この提案を拒否。10月17日,WS-Iはこれに応える形で政策決定などが行える役員席を2つ新設し,Sun社の受け入れ体制を整えていた(発表資料のダウンロード)。

 なお,Sun社がこの役員席に就くには,2003年3月に行われる役員選挙で選出されなければならない。その前提条件として,Sun社は2003年2月に行われる候補者指名の90日以前(期限は2002年11月17日)に,賛助会員として同団体に加わっている必要があった。

 Sun社は,同社がこの規定通りのステップを踏む意向であることを明らかにしている。すなわち,「まず,今回賛助会員としてWS-Iに加入する。そして役員席の地位を目指し,2003年3月の役員選挙に立候補する」(Sun社)という。

 「我々は多くの団体から(WS-Iへの)参加要請を受けていた。WS-Iが新たに役員席を追加したことが,このことについて再検討するきっかけとなった」(Sun社Java Web Services部門上級ディレクタのMark Herring氏)

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