米Microsoft社と米Siebel Systems社はWebサービスを活用した企業向けソリューションの提供で複数年の戦略的提携を結んだことを米国時間10月21日,明らかにした。Siebelの販売,マーケティング,サービス・アプリケーション,ビジネス・プロセスをベースとした業界別のベスト・プラクティスとMicrosoftのWebサービス技術「.NET」を統合して提供する。

 企業は,同ソリューションにより総所有コスト(TCO)を抑えて最良の企業ソリューションを迅速かつ経済効率良く配備可能になるという。この提携には,共同開発,需要の創造,グローバルな販売,企業顧客向け統合サポートも含まれている。

 異なるシステムを接続するための新しいXMLをベースとしたWebサービス・モデルは,企業の最も差し迫ったニーズに直接対応できる新世代の企業アプリケーションを促進する。両社が提供するソリューションの構想は,次の3つの分野に焦点を当てる。

・「Siebel Integration Business Processes」は,業務システム/データ連携ソフトウエア「Microsoft BizTalk Server」と開発ツール「Visual Studio .NET」を使い,「Universal Application Network」上で実装と実行が可能となる。

・「Siebel eBusiness Applications」 は,.NET技術を用いて「Siebel Smart Client」との相互作用,Officeとの統合を強化し,新しいモバイル・デバイス上への配備をサポートする。

・「Siebel eBusiness Applications」は,Windows Serverオペレーティング・システム,SQL Server,.NET Framework向けに最適化する。

 「MicrosoftとSiebelは,市場の要求に対応するためにどのように企業アプリケーションが進化すべきか,という共通のビジョンを持っている。Siebelの販売,マーケティング,サービス・ベスト・プラクティス,ビジネス・プロセスをMicrosoft .NETと組み合わせることにより,企業の事業変更への対応を支援するとともに企業の技術投資に対してより大きな価値を実現する」(Microsoft社の会長兼チーフ・ソフトウエア・アーキテクトのBill Gates氏)

 企業は,IT予算を最大50%アプリケーションの統合に使っているが,問題はCRM(顧客関係管理),ERP(企業リソース・プランニング),SCM(サプライ・チェーン管理)を単に統合するだけにとどまらない。一般的な企業には,IT環境内に平均50のアプリケーションが存在している。大規模な企業では相互運用させる必要があるアプリケーションが数百から数千に上る場合もある。標準をベースとしたUniversal Application NetworkとBizTalk Serverにより,企業は迅速かつ経済効率良く企業内外のビジネス・プロセスにクロスアプリケーションを配備できるようになる。

 両社が数百万ドルをマーケティングに投じた戦略には,世界の顧客向けの販売,製品評価,インストレーション,配備,メインテナンスまで顧客のライフ・サイクル全体を通して専門のアシスタンスを提供するためのリソース,統合サービスの包括的セットなども含まれる予定。

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