「消費者の“パーミッション(許可)”を得て送る電子メール広告を効果的に使えば,オンラインはもちろん,オフラインの売り上げを劇的に増加することができる」。米DoubleClickは米国時間10月21日に,同社が毎年行っている電子メール広告に関する調査結果を発表した。それによると,パーミッション方式の電子メールがきっかけとなり,オンラインで商品を購入した消費者は68%,小売店で商品を購入した消費者は59%にのぼった。

 また,パーミッション方式の電子メールを受け取った後,カタログで商品を購入した消費者は39%,コール・センターを通して商品を購入した消費者は34%,郵便で商品を購入した消費者は20%だった。

 電子メールに記載のリンクをクリックして商品を購入したオンライン・ショッピング・ユーザーは78%に達した。リンクをクリック後,すぐに購入した消費者は33%。すぐではないが,後ほどオンラインで購入した消費者は35%だった。またクリックして,後ほどオフラインで購入した消費者は9%だった。

 今回の調査から,パーミッション方式の電子メールは極めて効果が高いことが明らかになった。消費者は受け取った電子メールがきっかけでオンラインはもちろん,オフラインでも購入する傾向が増えている。電子メールをクリックした直後ではなく,後になってオンラインやオフラインで購入する消費者もいることから,「各種チャネルにおける売上高を長期的に分析することが重要」(DoubleClick社)だという。

 ホリデー・シーズン中に,電子メールを利用して商品を購入する予定のオンライン・ショッピング・ユーザーは66%。また,電子メールを利用して誕生日のプレゼントを購入する予定のオンライン・ショッピング・ユーザーは48%だった。同じ小売りサイトから2度以上購入したことがある回答者は86%,また過去1年間にクーポンや特典を利用したことがある回答者は46%だった。

 消費者の関心に合わせて,コンテンツをカスタマイズした電子メールの方が効果的である。パーミッション方式の電子メールの場合,カスタマイズされたコンテンツを「常時」もしくは「時々」希望する消費者は62%だった。また,「自分の関心事に合わせてカスタマイズされたコンテンツを好む」と回答した消費者は91%に達した。カスタマイズされた電子メールを希望した消費者のうち,「カスタマイズによって,商品を購入する可能性が高くなる」と回答した消費者は35%だった。

 消費者が現在,1週間に受信する電子メールの件数は254件である。2001年の159通から60%も増加している。このような傾向を反映して,電子メールに関する消費者の懸念事項として,「スパム・メールの受信」(90%)や,「パーミッション方式の電子メールの受信頻度」(28%)などがあげられた。なお,スパム・メールに目を通す消費者は2001年に18%だったが,現在はわずか5%である。

 電子メール・アプリケーションのフィルタ機能を利用して,受信メールを各フォルダや“その他フォルダ”に自動的に振り分けている回答者は49%。その他フォルダに振り分けたメールを「滅多に読まない」,もしくは「全く読まない」という回答者は76%だった。

 効果的な電子メール広告を展開するうえで,最も大きな障害となるのは,消費者が受信する電子メール数が日々増えている点である。このため,DoubleClick社は「パーミッション方式の電子メール広告を展開するマーケッタは,消費者がスパム・メールと勘違いしない広告メールを,適切な頻度で送信する工夫が必要」と指摘する。

 メールを読むかどうか,「差出人」をみて判断する消費者は60%だった。また,「件名」をみるという消費者は35%。件名に「割り引き」や「ニュース」と言った言葉があると,消費者に対する訴求効果が高い。電子メールをクリックしてすぐに購入する場合,最も強い動機づけとなるのは「商品の割り引き」(70%)である。しかし,「販売元の知名度」(60%)をあげた消費者も多く,ブランド認知度の重要性をうかがわせた。

 「電子メール広告は使い方さえ誤らなければ,オンラインだけでなく,実店舗,カタログ,コール・センター経由の売上高も向上できることがわかった。電子メール広告を正当な方法で利用しようとするマーケッタにとって朗報だといえる」(DoubleClick社上級副社長のCourt Cunningham氏)

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