米Atlas DMTの研究/教育部門であるAtlas Instituteは米国時間10月21日に,オンラインおよびオフライン消費者によるホリデー・シーズン中の購買パターンについて調査した結果を発表した。それによると,オンライン消費者の購買パターンは,オフライン消費者のそれとは大きく異なるという。ホリデー・シーズン中にオンライン・ショッピングが最も活発になるのは,平日のなかでもとりわけ水曜日だが,オフラインの実店舗では土曜日にショッピングが活発化する。

 2001年11月15日~2002年1月31日に,大手小売サイト18店を訪れた数百万人のオンライン消費者に関するデータをもとに購買パターンを分析した。

 その他の主な調査結果は以下の通り。

・2001年にオンライン消費者のショッピングが最も集中したのは,11月28日の水曜日だった。オフラインでは,感謝祭の翌日とクリスマス直前に集中するのが一般的である。

・2001年のホリデー・シーズンで,オンライン・ショッピングが徐々に減少し始めたのは,クリスマスの約1週間前だった。2000年に同様の調査を行った際は,クリスマスの10日前から先細りになった。ショッピングを行う期間が伸びたのは,小売サイトの配送プロセスに対する消費者の信頼感が高まったためと思われる。一方,オフライン消費者によるショッピングは,クリスマス直前まで増加する傾向がある。

・オンライン消費者によるショッピングがピークに達するのは,勤務時間帯の正午~午後3時にかけてである。

・オンライン消費者によるショッピングはクリスマスの後も活発に続き,ホリデー・シーズン中の週間売上高の平均を上回る。

 Atlas DMT社Atlas Institute部門ディレクタのYoung-Bean Song氏は,「小売り業者は年間売り上げの最大50%をホリデー・シーズン中に稼ぎ出す場合が多い。オンライン消費者の購買パターンを考慮したオンライン広告を効率的に展開できれば,売上高を劇的に伸ばすことも可能である」と指摘した。

 また,ホリデー・シーズンに向けた2002年8~9月のショッピング動向を,2000年および2001年の同期間と比較した結果,「昨年は9月11日のテロ事件がホリデー・シーズン中の売上げに悪影響を及ぼした」と前置きした上でSong氏は,「昨年の特殊な事情を考慮しても,今年は過去2年と比べショッピングが活発だ」と述べた。2002年におけるホリデー・シーズンのオンライン支出は,このまま順調に伸びる見通しだ。

 Atlas DMT社Atlas Institute部門によるオンライン広告主へのアドバイスは以下の通り。

・ホリデー・シーズン中は,インターネットの職場ユーザーをターゲットにしたオンライン広告を展開する。

・週半ばにオンライン・ショッピングが集中することを考慮して,平日掲載の広告枠を購入する。

・インターネットの職場ユーザーによるアクセス頻度が高いWWWサイトに広告を掲載する。

・12月の半ば以降の注文でも,クリスマスに十分間に合うことをオンライン消費者に強調する。

・クリスマス以降のショッピングも視野に入れた広告キャンペーンを展開する。

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