シャープの米国子会社Sharp Microelectronics of the Americas(SMA)は,消費者家電の設計技師に向けて2つの新しい発光ダイオード(LED)製品ラインを米国時間10月17日に発表した。これらのLEDは,パッケージ・サイズが小さく,輝度,色の再現性に優れており,市場の要求に応える革新的なアプリケーションの設計を支援する。

 シャープの初のLEDラインは,RGB Super-luminosity TAF(Tough and Flush)LED。このLEDチップは,フルカラーのLEDよりも優れた色の再現力を提供する。輝度が強いため,新しいチップは,カメラ機能を搭載する新型携帯電話の光源として,また計器盤やLCDのバックライトとして利用できる。小型電子機器向けの白色LEDチップの代用としても使える。

 チップのTAF6ピン・パッケージは厚さ2.4ミリで,LEDの性能低下させることなく高い動作電流を使える。6ピンの構成では,バックライトとしてLEDを連結して,同一電流で別々の色を発光させる。そのため,消費電力が削減され,熱出力と色の両方の制御が改善される。

 今回拡張した同社の基板実装用チップLEDの新しいコンポーネントは次の通り。

1)高輝度超薄型の.35mmt AlGaInP LED
携帯電話やPDAなどの薄いパッケージを必要とするアプリケーションに最適。大型家電の膜スイッチとして利用する場合に,これらのチップはスイッチにスペーサの必要性を排除する。高い消費電力を必要とせずに明るいバックライトを提供する。0.55ミリ,0.8ミリも用意されている。フット・プリントは,0.35ミリのモデルと同じ。発光色は,黄緑,青,緑,褐色,サンセット・オレンジ,オレンジ,赤。

2)2色性とフルカラーのチップLED
同社の2色性高輝度チップLEDは,同一のパッケージで2つの異なる色を提供する。単一のLEDで複数の色のオプションを必要とする携帯電話,バックライト,その他のアプリケーションに使われる。2色を組み合わせて3色目の発光も可能。発光色は,黄緑/黄色,緑/オレンジ,黄緑/赤。

 同様に,4ピンのフルカラーの1616チップLEDは,単一のチップに3色を統合しており,TAF LEDよりも小さく,消費電力も低い。

 RBG Super-luminosity TAF LEDチップの価格は,5000個ロット時に2~3ドル。新しい基板実装用チップLEDは,色によって異なるが5000個ロット時に0.5~1.25ドルで提供される。

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