CDMA方式の開発,導入,標準化,普及を促進するための非営利組織CDMA Development Group(CDG)は米国時間10月16日に,CDMA2000対応の携帯電話機に関する調査結果を発表した。それによると,第3世代(3G)サービスにアクセス可能な消費者向けCDMA対応機器は,現在200機種販売されているという。

 こうした機器は,高解像度カラー・ディスプレイ,カメラ,GPS,音声認識といった機能を備えている。ビデオ,画像転送,オーディオ・ストリーミングなど,高速な3Gアプリケーションにも対応する。CDMA2000対応機器としては携帯電話機,PDA,無線モデムなどがあり,供給メーカーは30社以上にのぼる。

 CDMA2000対応機器は現在,アジア/米大陸/欧州において450MHz,800MHz,1700MHz,1900MHzという周波数帯を利用できる。また複数のベンダーが,近い将来2100MHz帯の携帯電話機を展開することで合意している。

 CDGによると,CDMA2000の普及による経済的なスケール・メリットが通信事業者と消費者の双方に良い影響を与え,携帯電話機の卸売り価格は2000年に比べ57%以上安くなったという。「アナリストの予測では,携帯電話機の価格は2003年に100ドル未満になり,2004年までには第2世代技術対応機器と同等になる」(CDG)

 cdmaOneに対する下位互換性も,CDMA2000の長所であるという。「消費者にとっては,これが使いやすさにつながる。cdmaOneを採用する通信事業者にとっては,3Gに移行する際の大きな自由度となる」(CDG)。さらに800MHz帯用CDMA2000携帯電話機はすべて,CDMAとAMPS(米国のアナログ携帯電話方式)のデュアルモードであるので,AMPSを手がける通信事業者の大きなメリットになるという。

 CDGのエクゼクティブ・ディレクタのPerry LaForge氏は,「多様で低価格な機器が入手できることが,CDMA2000の商業的成功の重要な要素であった」と説明する。「あらゆる最新技術のなかで,CDMA2000は対応メーカー数と携帯電話機の種類が最も多い。こうした強力な背景により,CDMA2000が今後も3Gをリードし,消費者に高度なサービスを提供し続けるだろう」(同氏)

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