米Jupitermedia社(旧称:INT Media Group社)の調査事業部門であるJupiter Researchが米国時間10月14日に,オンラインの請求書閲覧や支払いに関して調査した結果を発表した。2006年までに,米国の5000万を越える世帯が請求書をオンラインで閲覧し,5200万世帯が少なくとも1つの請求書の支払いをオンラインで行うという。これは2001年に1800万世帯が少なくとも1つの請求書をオンラインで閲覧していたのに対して,年平均成長率(CAGR)23%の拡大となる。

 調査によれば,2001年には米国の消費者向け請求書の内およそ6%に該当する6億4300万の請求書がオンラインで閲覧された。2006年までに年平均成長率(CAGR)41%で拡大して32%に該当する35億万件の請求書がオンライン上で閲覧されるようになるという。

 「単純な請求書を発行している企業は,WWWサイトがマーケティングの目的だけで顧客を引きつけるという考えを捨てるべきだ。請求を行うアグリゲータと連携することによりコスト削減が実現されるとともに,将来的に紙による請求書も無くなる」(同社のシニア・アナリストのRob Leathern氏)。

 また,オンラインにおける請求書の閲覧は,84%が請求主のサイトで行われているが,2006年までには60%に低下し,40%は業務代行業者のサイトで行われるようになるという。

 ひとつのサイト上で請求書の閲覧と支払いを希望する消費者は,そのようなサイトは,自分のメイン・バンクのサイトが好ましいとしている。この傾向は,インターネットの経験が多いユーザーほど高くなっている。インターネットの経験が5年以上あるユーザーの32%が銀行のサイトを望ましいとしており,経験が1年以下のユーザーは23%だった。

 同社がインタビューした請求書の発行者によれば,オンラインの請求を利用している顧客は満足度が高く,企業のブランドに対してより親近感を抱いていることが分かった。また,これらの顧客は,より生産性が高く,忠誠心も高いということも明らかになった。

 その他の主な結果と分析は次の通り。
・複雑な請求を行う企業(クレジット・カードの発行者と無線,長距離サービス・プロバイダなど)では,過去18カ月に渡りWebサイト上で請求書を閲覧する顧客が大きく増加している。しかし,大半の企業がオンライン顧客に対して紙の明細書を郵送している。

・多くのユーザーが,オンラインで請求書を閲覧する用意はあるが,まだ請求主のサイト上から支払いをする準備ができていないという。調査対象になったオンライン顧客の36%が,クレジット・カードの明細を定期的にオンラインで閲覧するが,定期的にオンラインで支払いをするのは23%に留まり,これらの大部分が発行主のサイトではなく,銀行サイトの請求書支払いエンジンを利用している。

・ISPとポータルの請求書支払い製品に興味を示す消費者は少ない。オンライン・ユーザー請求書の閲覧と支払いで,ポータルの同サービスの利用を好むと回答したのは6%未満だった。

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