mコマース/eコマース向け支払いシステムに関する非営利組織「PayCircle」は,Webサービス向け仕様「PayCircle Payment Web Service Specification 1.0」を公開した。PayCircleがドイツで現地時間10月9日に明らかにしたもの。同仕様で,WSDLのソース,XMLスキーマ定義,関連ドキュメントを提供する。対応するユース・ケース・シナリオは,PayCircleのWebサイトからダウンロードできる。

 PayCircleが引用した米Cahners In-Stat/MDRの調査によると,mコマース/eコマースの世界市場は現在19億6000万ドル規模の大きさで,今後5年以内に280億ドル規模にまで拡大すると予想している。PayCircleは,モバイル支払い用の標準APIを定めることで,mコマース導入の省力化を支援するという。

 PayCircleのAPI仕様では,販売業者,コンテンツ/アプリケーション・サービス・プロバイダに対して標準支払いインタフェースを提供する。これにより,「モバイル・ユーザーはより簡単に支払いを行えるようになる。将来市場が成長するには,支払い処理の簡素化が必要不可欠だ」(PayCircle)

 PayCircleは2002年1月に,モバイル支払い用標準APIを策定する目的でコンソーシアムを設立した。このAPIは,各種プロバイダが使用する支払いシステムの種類にかかわらず利用できるという。「現在互換性のない支払いシステムが数多く存在することが,mコマースの成長や普及を妨げている。PayCircleは既存の標準技術をベースにして,オープンで統一的なインタフェースを定義する」(PayCircle)

 なお,PayCircleには現在30社以上の企業が参加している。役員会メンバーの企業は以下の通り。米CSG Systems,米Hewlett-Packard,米Oracle,ドイツSiemens AG,米Sun Microsystems。

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