米MicroOptical社が米国時間10月8日に,米ワシントン州シアトルにて開催中のウェアラブル・コンピュータに関する国際シンポジウム(ISWC:International Symposium on Wearable Computers)にて,眼鏡装着型のウェアラブル・ディスプレイのデモを実施した。同製品は,普通の眼鏡フレームとレンズにシームレスに統合されている。同技術の製品化に向けて戦略パートナの米Essilor International社と協力している。

 同ディスプレイ・システムは,オプティックス,エレクトロニクス,マイクロ・ディスプレイを組み合わせた特許技術を提供する。眼鏡のこめかみ部分に小型LCDが隠されており,高解像度,24ビット・カラー・テキスト,グラフィックス,ビデオ・イメージ(640x480ピクセル,リフレッシュレート60Hz)を提供する。ユーザーは,イメージを拡大する隠されたオプティックスを通じてイメージを見る。ユーザーには,大きなイメージが空中に浮かんでいるように見える。イメージが見える距離は,数フィートからそれ以上に調整できるという。

 「映画『ミッション・インポッシブル2(MI2)』で,トム・クルーズは秘密の情報がレンズに表示される眼鏡を掛けていた。我々は,この未来型眼鏡のコンセプトを現実のものにする。OEMとシステム・インテグレータと協力して,近い将来,消費者に向けて統合型眼鏡システムを提供したい」(同社CEOのMark Spitzer氏)。

 調査会社の米Venture Development社によれば,ウェアラブル・コンピュータの世界市場は2002年に1億ドルを越え,2006年までに5億6300万ドルを越えると予測されている。産業および消費者向けに普通の眼鏡にフルカラーのディスプレイを組み込んだ眼鏡装着型ディスプレイは,ウェアラブル・コンピュータの爆発的な需要に対応している。

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