米Intelはチップセットの新製品「850E」「845GE」「845PE」「845GV」を米国時間10月7日に発表した。「多彩なデジタル・メディア,ゲーム,広帯域利用への対応を必要とするパソコン・ユーザーに,高い性能/信頼性/柔軟性を提供する」(Intel社)。同チップセットは,同日より利用可能とする。

 いずれのチップセットも,Intel社の「Hyper-Threading(HT)Technology」に対応する。HT Technologyはプロセサの命令をスレッド・レベルで並列処理する技術で,1つのプロセサを論理的に2つのプロセサとして扱うもの。同社は同技術を,Pentium 4プロセサ(動作周波数は3.06GHz)を搭載するデスクトップ・パソコンに導入し,2002年終盤にリリースする予定。

 「新製品の4チップセットは,現在のパソコン・ユーザーに劇的な使い勝手の向上を提供するだけではない。間もなく登場するHT Technologyの基盤にもなるのだ。同技術により,主な家庭/業務用アプリケーションのパフォーマンスを最大25%高められる」(Intel社デスクトップ・プラットフォーム・グループ担当副社長兼ジェネラル・マネージャのLouis Burns氏)

 新チップセットは,Pentium 4プロセサのスループット能力を最大限引き出すため,高速のシステム・バスを採用しているという。また,USB 2.0を6ポート内蔵し,独立した2つのDMAオーディオ・エンジンを持つAC' 97オーディオを搭載する。

 各チップセットのそのほかの特徴と価格は以下の通り。

・850E:デュアルチャネルPC 1066 RDRAMメモリーに対応。1000個ロット時の単価は40ドル。

・845GE:同社のグラフィックス機能「Extreme Graphics」向けにグラフィックス・クロック周波数を266MHzに高めた。システム・バスのクロック周波数は533MHzまたは400MHz。「量産製品で初めて」(Intel社)DDR333メモリーに対応。1000個ロット時の単価は37ドル。

・845PE:DDR333メモリーとAGP4xに対応。1000個ロット時の単価は34ドル。

・845GV:DDR266メモリーに対応。システム・バスのクロック周波数は533MHzまたは400MHz。1000個ロット時の単価は28ドル。

 チップセットの顧客向けにIntel社は,「Application Accelerator」ソフトウエア・パッケージの提供も行う。このパッケージにより,IDE対応ハード・ディスク装置を操作する際の性能を向上できるという。

 またパソコン・メーカーおよびシステム・インテグレータ向けに,デスクトップ・パソコン用マザーボードを発表した。その内容は,ATXフォーム・ファクタが「D845GEBV2」「D845PEBT2」「D845PESV」「D850EMVR」,micro-ATXフォーム・ファクタが「D845GERG2」「D845GVAD2」である。

 これらのチップセットを用いたシステムおよびマザーボードは,世界各地のパソコン/マザーボード・メーカーが現在量産品を出荷している。

◎関連記事
米インテル,動作周波数2.8G~2.5GHzのPentium 4を発表
米インテル,動作周波数2.53GHzの「Pentium 4」を発表,FSBクロック周波数は533MHz
米インテル,動作周波数1.8GHzの「Celeron」プロセサを発表
米インテルがチップセットの新製品を3種発表,USB 2.0に対応
インテル,一つのCPUを論理的に2個のCPUとして実行する高速化技術「Hyper Threading」を実機でデモ
米インテル,グラフィックス・ポートの仕様「AGP 3.0」最終版をリリース

[発表資料へ]