米Frost & Sullivanが米国時間10月1日に,米国のデジタル著作権管理(DRM)市場について調査した結果を発表した。それによると,同市場は2001年の2億8560万ドル規模から,2007年には8億6400万ドル規模に拡大するという。

 「2002年に,自由にデジタル・コンテンツを交換していたピア・ツー・ピアが終焉を迎え始めた。あらゆるタイプのコンテンツがデジタル化するのにともない,コンテンツ保護の重要性が増している。知的財産の盗難防止とコンテンツ所有者の収益確保が主な目的だ」(Frost & Sullivan社業界アナリストのJarad Carleton氏)

 著作権管理のセキュリティ仕様「XrML」が重要視されている。共通のDRM言語として採用し,分散した業界を統一することで,「デジタル著作権管理ソリューションの相互接続性を確保し,市場の収入増加を実現できる」(Frost & Sullivan社)。

 重要な個人データを扱う医療や金融サービス業界では,コンテンツ保護が法的に義務づけられている。WWW技術と動的コンテンツ生成の急速な発展により,政府機関やメディア,エンタテインメントといった垂直業界もコンテンツ保護技術の導入に取り組んでいる。DRMベンダーは主にこれらの業界に焦点を当てているが,最も収入を生み出す市場は取り引き情報を保護する必要がある大規模企業だ,とFrost & Sullivan社は指摘する。

 また,ベンダーによる企業向け価格モデルの積極的な構築も,DRM市場の成長を後押しする。トランザクション料を免除したビジネス・モデルは,出版業界などに歓迎されるだろう。

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