米Intelが米国時間10月2日に,3次元(3D)グラフィックス作成用ソフトウエア「Open Source Light Field Mapping(Open Light Fields)」を発表した。WWWサイトから無償で入手可能。「物体の光の反射を正確に表現し,実写のような3Dコンテンツを作成できる」(Intel社)としている。

 Open Light FieldsはIntel社の「Light Field Mapping(LFM)」技術をベースにする。LFMは,ブロンズ像に反射する太陽光線など,3Dオブジェクトの光の反射特性を効率的にモデリングする。Open Light Fieldsには,デジタル写真から3D画像を合成するためのソフトウエア,LFMオブジェクトを再生するためのコードなどが含まれる。開発者はコードをそのまま使用するほか,変更を加えてアプリケーションに利用することも可能。

 Intel社フェロー兼Microprocessor Research研究所ディレクタのJustin Rattner氏は,「LFM技術は実写並みのコンピュータ・グラフィックスの研究を加速化し,デスクトップ・パソコンにおける精巧で鮮やかな映像世界を実現するだろう。Intel社が昨年LFMを発表するまでは,複雑な光の反射特性を表現できるのは高度な技術を持つ映画のアニメータや特殊効果開発者だけだった」と述べた。

 Intel社は三菱電機の研究所と協力し,複雑な幾何学を用いたオブジェクトの視覚化機能といったLFMの将来的な強化について研究を進めている。また,スタンフォード大学とともに,照射面の圧縮およびストリーミング技術に取り組んでいるという。

 Open Light Fieldsは,ロシアのニジニーノブゴロドにある研究センター「Intel Russia Research Center(IRRC)」のソフトウエア・チームが開発した。IRRCは2001年に開設され,現在30人以上のコンピュータ研究者をかかえている。

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