英小売業者のBootsが米IBMに11億ドル規模のアウトソーシング

和田英一

2002.10.02

　英Boots社と米IBM社は現地時間10月1日に，11億ドル規模（7億1000万ポンド）の10年間に渡るアウトソーシング契約を締結したことを発表した。IBM社はコンサルティング，サービス，ハードウエア，ソフトウエアを提供し，Bootsの顧客満足度の向上とITオペレーションを強化する。同契約により，Boots社は1億3000万ポンド（2億ドル以上）の節約を見込んでいる。

　IBM社のGlobal Services事業部門は，コンピュータ・サービスの提供を越えて顧客との幅広い関係を築いている。顧客との関係において，同社はすべてのリソースを合わせて事業における問題の解消と顧客とIBM社の両方に向けた新しい収益を生成を計る。Boots社は，同社の英国の小売業界において初めての顧客となる。両社は，英Nottinghamに革新的なセンターを作り，Bootsにおいて活用する高度な技術を開発する。

　同センターにおいて，Boots社の顧客満足体験の強化と事業の効率化を計るために，IBMの技術専門家と小売業界コンサルタントが協力する。中心的な分野には，顧客に対するサービスの向上を可能にする無線，モバイル・ソリューションも含まれる予定。

　Boots社は，優れた接客態度と顧客サービスで知られている。会員数が1400万人を越える。同社は，世界最大のロイヤリティ・プログラムであるスマート・カード「Advantage Card」を提供している。IBM社は，同プログラムをサポートするためのデータベース管理とアプリケーション・メインテナンスを行う。

　契約の一部として，IBM社はBoots社のデータ・センター，店舗内システム，データ・ネットワーク，通信を含むすべてのコンピューティング・インフラを管理する。また，Advantage Card保有者向けにBoots社の1600店舗およびキオスク内の新しいPOSシステムの配備と管理を行う。契約により，Boots社の400名を越える従業員がIBM社員となる。