CRMソフトウエアのプロバイダである米E.piphanyと米Microsoftは米国時間9月30日,E.piphany社のソフトウエア・スイート「E.piphany E.6」にMicrosoft社の次世代位置情報サービス・システム「MapPoint .NET」を統合することで提携を結んだことを明らかにした。両社は,「Webサービス・アーキテクチャを用いることにより,異なるベンダーのコンポーネントを組み合わせて,革新的なアプリケーションを開発できることを示す好例」としている。

 「他のCRMベンダーは将来,自社のアプリケーションをWebサービスに対応させるために再構築する必要があるが,コンポーネント・ベースのE.6はWebサービスをすぐに利用できる。また特定のプラットフォームにも依存していない」と,E.piphany社製品担当上級副社長のPhil Fernandez氏は説明する。「E.6のWebサービス対応により,顧客はWebサービスへ移行しつつある業界の動きに乗ることができる。MapPointは.NETベースであり,E.6はJ2EE(Java 2 Enterprise Edition)ベースだが,Webサービスのオープンな標準によってシームレスな相互接続性が実現している」(同氏)

 「E.piphany Sales 6」にMapPointを統合することで,エンド・ユーザーはWebサービスを利用して,E.piphany社のアプリケーション内から顧客の位置情報の取得,目的地までの経路情報の入手,旅程の決定などが可能。地図機能を利用にするには,Microsoft社のMapPointサービスに加入するだけでよい。

 従来のCRMソリューションでは,営業マネージャが営業活動を監視したり売り上げを伸ばすためのツールに重点がおかれ,営業担当者が利用できる機能は限られていた。しかし,E.piphany Sales 6のWebサービス対応版は,さまざまなチャネル,システム,データ・ソースから収集した顧客情報を,営業担当者にリアルタイムで配信できる。このため営業部門全体が販売機会を最大限に活用し,ROI(投資回収率)を向上できるという。

 「効率的に営業活動を行うには,顧客を知ることが重要だ。そのためにはリアルタイムの情報が不可欠となる。E.piphany Sales 6にMapPointサービスを統合することで,複雑なプロセスを追加することなしに,位置情報を提供できるようになる」(Fernandez氏)

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