米Red Hatが,新しいデスクトップ環境「Bluecurve」を採用したLinuxディストリビューション「Red Hat 8.0」を9月30日に正式リリースする。Red Hat社が米国時間9月27日に明らかにした。Bluecurveは同社が開発したデスクトップ環境で,「GNOMEとKDEの要素を組み合わせたもの」(同社)という。

 Bluecurveについて,Red Hat社製品マーケティング担当ディレクタのErik Troan氏は以下のように説明する。「我々は“第3のインタフェース”を作ろうとしているわけではない。Bluecurveでは,より洗練し3次元化した一貫性のあるルック&フィールの実現を目的としている」

 「Red Hat 8.0の評判によっては,2003年5月から11月のあいだにリリースする予定の『Red Hat Advanced Server』の次版でもBluecurveを採用する可能性がある」(同氏)

 Red Hat 8.0は,「Personal Edition」と「Professional Edition」の2種類を用意する。いずれも5枚のCD-ROMでOSを供給し,Professional Editionにはさらに2枚のCD-ROMと追加の文書が付属する。追加分のCD-ROMの一方で,ワープロ/プレゼンテーション/表計算アプリケーションを含むオフィス・スイート「OpenOffice」を提供する。もう一方のCD-ROMには,システム管理ツールを入れる。

 メール・クライアントはKonqueror,Kmail,Galeonのほか,アドレス帳と予定表機能を持つXimian Evolutionや,WWWブラウザ/アドレス帳/HTMLオーサリング環境に対応するMozillaなど複数用意する。Bluecurve上でGNOMEに相当する設定を選択すると,初期状態ではGaleonの代わりにMozillaを使用することになる。また,KDEを選択すると,当初Konquerorの代わりにMozillaを,Kmailの代わりにEvolutionを使う設定となる。

 さらにRed Hat 8.0では,Linuxのデスクトップから米MicrosoftのExchange関連ツールを利用するため,「Ximian Connector」を採用する。また,OSの中核コンポーネントもアップデートし,gccのバージョンは3.2,カーネルは2.4.18。

 Red Hat 8.0のメーカー希望小売価格は,Personal Editionが39.95ドル,Professional Editionが149.95ドル。

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