米Microsoftが米国時間9月26日に,情報ワーカーの生産性向上に取り組むセンター「Center for Information Work(CIW)」をワシントン州レドモンドにある同社敷地内に開設したことを明らかにした。5年後の職場環境を想定したプロトタイプを作成する。

 CIWでは,大容量の情報管理,重要なデータを利用した意思決定,外出先でのデータ・アクセスなどの向上を目指す将来的なコンセプトのデモンストレーションを行う。

 Microsoft社は,1カ月あたり約1000人の顧客がCIWを訪れると見込んでいる。顧客は,現在Microsoft社とCIWの技術参加者が研究に取り組んでいる技術に触れることができる。Microsoft社は,「顧客のフィードバックを取り入れ,実現可能な技術,改良の余地がある技術を検討する参考にしたい」としている。

 「顧客はCIWで,我々がソリューションやツールに具現化しようとしている構想を目にし,これらのソリューションがどのようにモバイル環境や生産性向上に影響を与えるか理解することができる」(Microsoft社CIWグループ・マーケティング・マネージャのThomas Gruver氏)

 すでにソニーの米国法人Sony Electronics' Business Solutions and Systems,米Intel,台湾のAcerなどがCIWの活動に協力しているという。CIWで利用するTablet PCはAcer社が提供したものだ。Sony Electronics' Business Solutions and Systems社はLCDフラットスクリーン・モニターを,Intel社はハイエンドの「Pentium 4」搭載マシンのプロトタイプを供与した。

  CIWではMicrosoft社Research部門のプロトタイプ技術も披露する。例えば周囲360度を録画できる全方位ビデオ・カメラ「RingCam」,ユーザーを取り囲むようなワイド・ディスプレイ「BroadBench」である。「RingCamは将来の会議記録に役立つだろう。BroadBenchを使って,情報ワーカーは複数のアプリケーションを同時に利用し,デスクトップ上の情報の流れをうまく管理できるようになる」(Microsoft社)

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