「2002年9月1日から現在まで9011回のサイバー攻撃が確認されており,すでに8月の回数を超えている」。英mi2gが英国時間9月25日に,サイバー攻撃に関する調査結果を発表した。

 2002年8月のサイバー攻撃回数は5830回,2002年7月は4904回だった。3カ月連続して,前月を上まわっている状態だ。ちなみに2001年7月は3499回,2001年8月は2820回,対米同時多発テロが発生した2001年9月は816回だった。

 米国の対イラク政策やイスラエル支持により,デジタル世界では反米感情が高まっている。2002年9月に,米下院,米農務省,米教育省,米国立公園局,ゴダード宇宙飛行センターとマーシャル宇宙飛行センター,州立図書館,米地質調査所に属する米国政府のオンライン・コンピュータが攻撃を受けた。これらのコンピュータはすべて米Microsoftの「Windows」を動作させていた。今月米国政府を狙ったサイバー攻撃は,前月の2倍以上に増加している。

 反米,反イスラエル,反インドを意図した9月のサイバー攻撃には,「S4t4n1c_S0uls」「USG」「WFD」「EgyptianHackers」「Arab VieruZ」「MHA」「The Bugz」「FBH」などが含まれる。

 米国で登録しているドメインは,2002年9月に4157回の攻撃を受けている。ブラジルは835回,英国が376回,ドイツが356回,インドが285回である。世界中の攻撃の49%が北米を対象としており,最も被害が多い。欧州を狙った攻撃は23%だ。ちなみに2002年8月は北米を狙った攻撃が38%,欧州は39%だった。

 2002年9月の攻撃をOS別でみた場合,Windowsが5854回,Linuxが1740回,BSDが933回,「Solaris」が229回だった。

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