米Apple Computerは米国時間9月25日,ネットワーキング技術「Rendezvous」のコードをオープン・ソース化することを明らかにした。

 Rendezvousは,IP,ARP,DNSといったインターネットの標準化機関Internet Engineering Task Force (IETF)の標準プロトコルをベースにし,Ethernetや802.11無線ネットワークなどのIPネットワーク上の周辺機器を自動的に検出して接続する。Apple社のOS「Mac OS X version 10.2」には,Rendezvousサポート機能が組み込まれている。

 Apple社によると,キヤノン,セイコーエプソン,米Hewlett-Packard,米Lexmark,オランダのPhilips,米Sybase,米Xeroxなどが,ネットワーク・プリンタ,民生電子機器,企業向けデータベース管理,教育用アプリケーションなどの製品をRendezvousに対応させる予定だという。

 「RendezvousはIPネットワークにおける画期的な技術だ。ユーザーが手間をかけることなく,コンピュータ,デバイス,ソフトウエア・アプリケーションの動的なネットワーク構築を可能にする。Apple社は今回のオープン・ソース化により,Rendezvousの普及促進を図る」(Apple社Worldwide Product Marketing部門上級バイス・プレジデントのPhilip Schiller氏)

 Apple社が無償で提供するソース・コードを使って,開発者はネットワーク対応装置やソフトウエア・アプリケーションにRendezvous技術を組み込むことができる。Rendezvousのソース・コードには,UNIX,Linux,Winodwsベースのシステムおよび装置に対応したソフトウエアが含まれる。

 Apple社はIETFの作業グループZeroconf Working Groupと協力し,ユーザーが設定に手間をかける必要のない“zero configuration”のIPネットワーキング技術開発を進めているという。また同社は,Rendezvousをオープンな標準規格として申請する計画である。

 Rendezvousのソース・コードは「Apple Public Source License」のもとで同日より提供を開始する。開発者は,Apple社Webサイトから無償でダウンロード可能。

◎関連記事
「ネットワーキング技術『Rendezvous』対応を進める開発者が増加」と米アップル
米アップル,Mac OS XとサーバーOSをバージョンアップ
米インテル,家庭内デジタル・メディア配信に関する取り組み「Extended Wireless PC Initiative」を発表
米IBM,蘭フィリップスなどと家庭内ネット向けデジタル・コンテンツ配信ソリューションで提携
「家庭内ネットワークの主流はパソコンとプリンタ,エンタテインメント機器も徐々に普及」,と米調査
2006年には米国の2300万世帯がPCベースの家庭内ネットワークを導入,ただしキラー・アプリは“音楽”
「消費者はホーム・ネットワークを望んでいる」---米団体が調査
「家庭内ネットワーク市場は成熟期,今後4年間で普及率は10倍に」---。米ベライゾンが予測

[発表資料へ]