米Crayがカナダのトロント大学にスーパーコンピュータ「SX-6」を2台納入した。Cray社が米国時間9月25日に発表したもの。販売金額は明らかにしていない。

 トロント大学ではSX-6システムを,地球の磁界のモデル化,氷河期における海水面のシミュレーションなど,地球の内部や大気に関する研究に利用するという。

 SX-6はNEC製のベクトル型スーパーコンピュータで,Cray社がOEM販売しているシステム。Cray社は1996年に,NECなど日本のスーパーコンピュータ・メーカーを対象とするダンピング提訴を起こしたが,両社は2002年2月に和解し,(1)NEC製スーパーコンピュータのOEM供給,(2)NEC製スーパーコンピュータの北米における独占販売権およびその他地域での非独占販売権提供という契約を締結していた

 「SX-6は世界でも最新のハイエンドかつ高帯域幅を持つベクトル型スーパーコンピュータ製品系列で,産業/学術/政府向けに設計したものだ。世界一強力なスーパーコンピュータである日本の地球シミュレータと同じ基盤技術を使っている。すぐにこの優れた技術が認められることで,今後数カ月でSX-6システムの受注が増えるだろう」(Cray社会長兼CEOのJim Rottsolk氏)

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