米マイクロソフトが「Application Analyzer for Lotus Notes」を発表，「Notes」アプリの「.NET」移行を図る

早坂利之

2002.09.24

　米Microsoftが米国時間9月23日に，「Lotus Notes」アプリケーションの使用状況を分析する「Application Analyzer for Lotus Notes」を発表した。これによりMicrosoft社はLotus Notesから「.NET Enterprise Server」への移行促進を図る。

　Application Analyzer for Lotus Notesは「Data Collector」と「Data Processor」の2つのツールから成る。Data Collectorは顧客に直接提供する。Data Processorは移行分析サービスを提供するパートナ企業に向けて提供する。

　Application Analyzer for Lotus Notesを米CASAHL Technologyの「ecKnowledge 7.5」と組み合わせることにより，既存のNotesアプリケーション・インフラを評価分析するために必要なリソースを提供する。今後のコストや事業価値を判断し，LotusとMicrosoft社の環境をつなげ，最終的にはMicrosoft社のプラットフォームへ適切なアプリケーションを完全に移行する。

　CASAHL社のecKnowledgeは，Lotus Notesアプリケーションと「Exchange Server」との共存や移行作業を支援するMicrosoft社の「Application Connector for Lotus Notes」に代わるツールである。Lotus Notesアプリケーションのコンテンツを，Exchange Serverのほか，「Outlook」「SQL Server」などの各種Microsoft社製品と同期化し複製する。

　「顧客は数年間にわたりNotesの恩恵を受けてきた。しかし単一製品の使用は，幅広い事業ニーズに対応した性能，拡張性，管理性の獲得を困難にすることに顧客は気づき始めている。Application Analyzer for Lotus Notesにより，顧客がNotes環境に費やした大規模な投資をMicrosoft社の環境に移行できるよう支援する」（Microsoft社.NET Enterprise Servers部門上級バイス・プレジデントのPaul Flessner氏）

　Microsoft社は，「Application Analyzer for Lotus NotesのリリースとCASAHL社ecKnowledgeの推奨は，Lotus Notesアプリケーションの移行を促進する取り組みの一環である」と説明する。また，Lotus Notes開発者を.NETベースの開発に馴染ませる狙いもあるという。

　Application Analyzer for Lotus NotesのData Collectorは，Microsoft社WWWサイトより無償でダウンロード可能。Data ProcessorはMicrosoft Certified Partners向けに1ドル（別途配送料と手数料が追加）で提供する。