米Intelが米国時間9月23日に,動作周波数933MHzの組み込みボード用プロセサ「Low Voltage Intel Pentium III」を発表した。高密度のブレード・システムに搭載可能という。通信装置メーカーに向ける。

 同プロセサの主な仕様は以下の通り。

・最大消費電力は12.2W。「消費電力を低減したことでシステムの全体的な発熱を抑えることができ,熱や設置面積に限りのある環境でも運用可能」(同社)

・512Kバイトのレベル2キャッシュを内蔵

・システム・バスのクロック周波数は133MHz

・製造プロセスは0.13μmルール

・Intel社の「815E2」チップセットに対応するほか,デュアル・プロセサ構成のためサードパーティ製のチップセットの利用も可能

・パッケージはuFCBGA

 Low Voltage Intel Pentium IIIはIntel社のパケット・スイッチド・マザー・ボード「NetStructure ZT 5524 System Master Processor Board」に対応しており,シングルまたはデュアル・プロセサ構成での運用が可能。

 ZT 5524はPCI Industrial Manufacturers Group(PICMG)2.16準拠の,単一スロットに格納可能な高密度マザー・ボード。Gigabit Ethernetを2ポートとPMCメザニン・ボードを二つ備える。「特に電気通信サービス,ブロードバンド接続サービス,電気通信スイッチ,携帯電話基地局用コントローラ向けに設計した」(同社)

 動作周波数933MHzのLow Voltage Intel Pentium IIIはすでに利用可能で,1000個ロット時の単価は273ドル。ZT 5524も利用可能となっており,価格は2695ドル。

 また,台湾のAAEON Technology,Advantech社,ドイツのKontronなどのOEMメーカーが,Low Voltage Intel Pentium IIIプロセサを採用するPICMG 2.16やそのほかのフォーム・ファクタのマザー・ボードを提供している。さらに2002年末には,米Force Computersが対応マザー・ボードを発売する予定という。各システムの価格はメーカーによって異なる。

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