企業向けLinuxディストリビューションの統一を目的とするUnitedLinuxは米国時間9月18日,同組織のLinuxディストリビューション「UnitedLinux」のベータ版を2002年9月23日にリリースすることを明らかにした。ベータ版のソース・コードをWebサイトから無償で提供する予定である。
UnitedLinuxは,米SCO Group(旧社名:Caldera International),ブラジルのConectiva S.A.,ドイツのSuSE Linux AGなどが企業におけるLinux普及を目指して結成した共同事業。共同開発するUnitedLinuxに自社の製品やサービスを付加し,各社のブランド名でマーケティングと販売を行う。
UnitedLinuxは,米IBMの「eServer」サーバー・ファミリをはじめ,米AMDの32ビットおよび64ビットのAMD AthlonやAMD Opteronプロセサ,米Intelのx86 32ビット・プロセサやItaniumプロセサを搭載したシステムでの利用を視野に入れる。LSB,Li18nux,GB18030などの標準規格に対応する。英語,ドイツ語,フランス語,イタリア語,日本語,韓国語,ポルトガル語,スペイン語,簡体字中国語,繁体字中国語でのインストール作業が可能。
また同組織は,Paula Hunter氏をワールドワイド・ジェネラル・マネージャに任命したことを発表した。Hunter氏は米XevoのMarketing部門バイス・プレジデントを務め,米Compaq ComputerのEmerging Markets and Programs Business Unit部門に従事した経歴を持つ。同氏は今後の優先課題として,世界規模のUnitedLinuxメンバーシップ拡大,各種トレーニングや認定プログラムの開発に取り組むとしている。
「ベンダーはUnitedLinuxをサポートすることで,異なるさまざまなバージョンのLinuxに対応する必要がなくなる。業界がLinuxの発展にリソースを注ぎ,質の高い機能豊富な製品を開発する環境を目指す」(Hunter氏)
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