ドイツのSuSE Linux AGは米国時間9月17日,同社Linuxディストリビューションの最新版「SuSE Linux 8.1」のリリースについて明らかにした。10月7日に発売を開始する。企業ユーザーおよび個人ユーザーに向けた使い勝手と機能を強化したという。

 SuSE Linux 8.1は,カーネル2.4.19とgcc3.2をベースにする。インストール・ツール「YaST2(Yet another Setup Tool)」により,「Linuxの初心者でも30分以内でインストールを完了できる」(SuSE社)。YaST2は最新のUSB2.0やFirewire機器をサポートし,ジョイスティックなどの特別なハードウエアを設定するためのモジュールも提供する。タッチスクリーンや垂直液晶ディスプレイなどの装置は「SaX2(SuSE advanced X configuration)」で簡単に設定できる。

 その他の主な特徴は以下の通り。

・各種のシステム設定管理を簡素化する「SCPM(SuSE Configuration Profile Management)」機能。ローカルで接続しているプリンタやスキャナをクリック1回で利用できる。

・WEP(Wired Equivalent Privacy)暗号化で無線LAN利用におけるセキュリティを確保。

・CUPS(Common Unix Printing System)をデフォルトのプリント・システムとして採用。

・ファイアウオール・ソフトウエア「SuSE Firewall 2」がノート・パソコンやハード・ディスク装置のデータを保護。

・GNU Privacy Guard,OpenSSH,PAM,IPsecなどのセキュリティ技術を装備。

・ブート・マネージャには「Lilo」の代わりに「GRUB(Grand Unified Boot Loader)」を採用。

・「Powertweak」でカーネルのパラメータを編集可能。

・Apache 2.0.40とSamba 2.2.5を搭載。

 SuSE Linux 8.1には,デジタルカメラ,CUPS,デスクトップ環境GNOMEに関する章を加えた改訂版マニュアルが付属する。CD3枚,ユーザー・ガイド,60日間のインストレーション・サポートを含む「SuSE Linux 8.1 Personal」の価格は39ドル95セント。CD7枚,DVD1枚,ユーザー・ガイド,アドミニストレーション・ガイド,90日間のインストレーション・サポートを含む「SuSE Linux 8.1 Professional」は製品版が79ドル95セント,アップデート版が49ドル95セント。

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