米IBMと米Red Hatは,世界の大規模企業に向けた幅広いLinuxサポートの提供で複数年の協力体制を敷く。両社が米国時間9月16日に発表した。これには,サービス,ソフトウエアとサーバーのサポート拡張などが含まれる。

 提携の一部として,Red HatはIBMの「eServer」,「zSeries」,「iSeries」,「pSeries」向け「Red Hat Linux Advanced Server」を提供する。IBM社のサービス事業IBM Global Services部門は,「eServe」のすべての製品ラインにおける「Red Hat Linux Advanced Server」のサポートを行う。

 両社が提携によりLinuxユーザー向けに対応する3つの領域は次の通り。
サービス部門:
・IBM Global Servicesが「Red Hat Linux Advanced Server」と「Red Hat Network」のソフトウエア・サービスを提供し,包括的なジョイント・サービスとサポート製品で補足する。
・Red HatとIBM Global Servicesが共同でLinux技術知識とエンジニアリング・リソースで顧客にエンド・ツー・エンドのサービスとサポートを提供。
・Red HatとIBM Global Servicesが協調して互いのコンサルティングとサービス製品をパッケージして提供し,顧客のニーズに幅広い方法で対応する。両社が共同で顧客のLinuxサービス要件に応えるワン・ステップ・サポートを提供。

サーバー・サポート:

・Red Hatが,IBMの「eServer」,「zSeries」,「iSeries」,「pSeries」サーバー上で動作する「Red Hat Linux Advanced Server」の完全なサポートを提供する。「eServer」,「zSeries」サーバー上ではすでにサポートされている。

・IBM eServer部門とRed Hatの開発チームがすべての「eServer」製品の最適なパフォーマンスを引き出すために協力する。

ソフトウエア・コレクション:

・IBMは,「Red Hat Linux Advanced Server」上で主なソフトウエアが利用できるようにする。まず2002年には「eServer」と「xSeries」などのIntelプロセサ・ベースのサーバーで動作可能にし,2003年には「eServer」ハードウエアに拡張する。対象となるソフトウエアは,「WebSphere」,「Web Services」の構築と配備を行うためのJ2EEベースのインフラ・ソフト,「DB2」,「Tivoli」,「Lotus」など。

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