米Intelが米国時間9月9日に,家庭内デジタル・メディア配信に関する取り組み「Extended Wireless PC Initiative」を発表した。開発者コミュニティに,主要なツールキットなどを提供し,家庭内のテレビやステレオなどでパソコン用デジタル・メディアを利用できる環境の開発を支援する。

 「消費者は,デジタル写真撮影,MP3ミュージックの作成,デジタル・ビデオ録画といったデジタル・メディア活用を高く評価している。そしてパソコンは,デジタル・メディアの保存や編集に欠かせないツールとなった。Extended Wireless PC Initiativeの目的は,家庭で手足を伸ばしてリラックスしながらお気に入りのデジタル・メディアを楽しめるような環境『Digital Home』の実現に,消費者を一歩近づけることだ」(Intel社Intel Desktop Platforms Group部門バイス・プレジデント兼共同ジェネラル・マネージャのLouis Burns氏)

 メディア配信において重要な役割を果たすのは,パソコン,テレビ,ステレオ間をつなぐデジタル・メディア・アダプタと呼ばれるパソコン周辺機器である。デジタル・メディア・アダプタにより,802.11無線ネットワーキングやUpnP(Universal Plug and Play)技術でパソコンからデジタル・メディアを受信したり,標準のA/Vケーブルを使ってテレビやステレオと接続できる。ユーザーはリモコンでテレビ画面上のメニューを操作し,受信したいデジタル・メディアを選択することが可能だ。Intel社は,インストールが簡単で豊富な機能を活用できるデジタル・メディア・アダプタの開発と無線パソコン・プラットフォームの拡張を2003年後半に目指す。

 Intel社がExtended Wireless PC Initiativeで直ちに提供する主な内容は以下の通り。

・デジタル・メディア・アダプタ参照デザインのサンプル:Intel社のマイクロアーキテクチャ「XScale」を採用した「PXA210」プロセサをベースにする。JPEG,MP3,WMA形式のデジタル・コンテンツをサポート。802.11b無線ネットワーキング,NTSC/PAL/Sビデオのテレビ接続,AC-97ステレオ接続に対応する。

・技術仕様:UPnP技術を用いたメディア配信ソフトウエアの実験スタックを記述。デジタル・メディア・アダプタを使用してパソコンのデジタル・コンテンツを簡単に利用できるようにする。

・UPnP技術向けのツールキット:複数のOSやオーサリング環境に対応する。

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