米Allied Business Intelligence(ABI)が米国時間9月5日に,北米の第2.5世代(2.5G)および第3世代(3G)携帯電話ネットワークに関する調査結果を発表した。それによると,現在のところ次世代CDMAネットワークがほかの技術よりリードしているという。

 過去数カ月間で,TDMA/GSMとCDMAを扱う通信事業者はいずれも順調に普及を進めている。ただし現在のところ,その差はわずかであるがCDMA通信事業者が優位に立っている。米国とカナダでは2.5Gが広く利用されており,5500万人以上のCDMAサービス加入者がいる。

 CDMA2000 1Xは音声容量がGSMと比べ約2倍で,データ転送速度は144kbps。「しかし,GSM通信事業者がそれで不利になることはない。TDMAからGSM/GPRSへの移行は困難だったが,北米の多くのGSM通信事業者が次に採用する技術は,より容易に移行できるEDGEである。そして,EDGEのデータ転送速度はCDMA200 1Xの2倍以上だ」(ABI社)

 ABI社上級アナリストのEdward Rerisi氏は,「第2世代(2G)からの移行が容易だったため,CDMAが北米では明らかにリードしている。しかし,北米以外でGSM/GPRSネットワークがはるかに多く採用されていることを忘れてはいけない」と指摘する。

 GSMベースの3Gネットワーク,つまりW-CDMAに対する支出は,CDMAベース・ネットワークのそれをはるかに上回る見込みだ。「W-CDMAに関する支出は,今後5年間,3G支出全体の78%前後を占めるだろう」(同社)

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