既設の電話線を利用した家庭内ネットワークの業界団体Home Phoneline Networking Alliance(HomePNA)は,仕様の第3版「HomePNA 3.0」に向けた米BroadcomとCopperGate Communication社による共同技術案を承認したことを米国時間9月5日に発表した。両社の技術案では,128Mbpsのデータ伝送速度を実現するという。

 HomePNA 3.0はPOTS,ISDN,xDSLに対応する。HomePNA 2.0と下位互換性を持ち,HomePNA 2.0と同3.0対応機器が混在するネットワークでも,デバイスがそれぞれの伝送速度を落とすことなく同時通信が可能。そのため,「QoSを維持できる」(HomePNA)

 HomePNAに対応したネットワークでは,電話サービスに影響を与えることなく,広帯域エンターテインメント,音声,データ・ファイル,インターネットを家庭内の装置で共有できる。HomePNA 3.0は「Voice-over-HomePNA(VoHPNA)」プロトコルをサポートする。VoHPNAはHomePNA 2.0を拡張したもので,同時に8件の高性能音声データ送信を可能にする。

 HomePNA議長のJohn Marshall氏は,Broadcom社とCopperGate社の共同技術案について「全体的に優れており,業界の要求と目的をすべて満たしている」と述べた。同技術案はHomePNA 2.0の技術をベースにし,電話回線を用いた最大128Mbpsのデータ伝送速度を可能にする。また,オプションの拡張機能により「最大240Mbpsまで引き上げることができる」(HomePNA)という。Media Access Control(MAC)プロトコルに対応するため,HDTV,デジタル・オーディオ,音声ストリーミングといった複数のエンターテインメントおよびマルチメディア・アプリケーションやサービスを処理できる。

 HomePNA 3.0の最終版は2002年第4四半期にリリースする予定である。

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